国際結婚

国際結婚をしたら国籍はどうなる?国ごとの違いや子供の国籍まで解説

国際結婚をしたら、自身や配偶者の国籍はどうなるのでしょうか?

実は、国際結婚をしてもお互いの国籍が自動的に変わることはありません。

しかし、結婚する相手の国によっては、自動的に相手の国の国籍を取得できるケースもあったりします。

この記事では、国際結婚と国籍についての疑問から、外国人配偶者が日本国籍に変更する方法まで、深掘りしていきます。

この記事を読んでわかること

・日本の国籍法について

・国際結婚をすると自動的に国籍が与えられる国について

・国際結婚をした場合の子供の国籍について

・外国人配偶者が日本国籍を取得する方法

国際結婚と国籍

冒頭にも述べた通り、国際結婚をしても基本的に国籍が変わることはありません。

ただし、結婚後に自ら国籍変更の手続きをする場合は除きます。

国際結婚で苗字が自動的に変わることもありません。

国際結婚は夫婦別姓になります。

国際結婚と苗字について深く知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

国際結婚したら苗字はどうなる→【夫婦別姓になる】変更方法を解説「国際結婚をしたら苗字はどうなるの?」 これはよく聞かれる質問です。 結論から言うと、基本的に夫婦別姓になります。 こ...

一方、日本人女性が外国人男性と結婚する場合、結婚相手の国籍によっては相手国籍を自動的に取得できるケースがあります。

また国によっては、結婚によって比較的簡単な手続きで国籍を取得することができる国もあるようです。

以下では、相手国籍を取得するケースを見ていきます。

結婚によって女性が相手の国籍を自動的に取得するケース

イランやサウジアラビアなどイスラム教国などでは、その国の男性と結婚した外国人女性(日本人女性)は、その国の国籍を取得すると法律で定められています。

したがって、該当国の人と結婚する場合は自動的に国籍を取得します。

重国籍について

通常、日本人が他国の国籍を取得した場合、重国籍者(二重国籍者)として日本国籍を失うことになります(国籍法第11条第1項)。

しかし、結婚によって外国から自動的に国籍を与えられた場合には、日本国籍を失うことはありません。

また、国によっては結婚によって自動的に与えられる国籍を拒否できる国もあります。

結婚により外国人女性に国籍を与える国 イラン、サウジアラビア、エチオピア、アフガニスタンなど
与えられる国籍を拒否する制度のある国 セネガル、ルワンダ、ドミニカ共和国、コートジボワールなど

結婚によって比較的簡単な手続きで国籍を取得できるケース

通常、外国籍を取得するためには多くの条件を満たす必要があり、そろえる書類も膨大になります。

しかし国によっては、自国民の外国人配偶者に比較的簡単な手続きで国籍を与えています。

結婚により簡単な手続きで国籍が取得できる国 アイルランド、イタリア、イスラエル、フランス、ニュージーランド、デンマーク、トルコ、インド、ポルトガルなど

※法律が変更になっている場合があるので、最新情報については適宜確認してください。

帰化して配偶者の国籍を取得するケース

日本を含めて多くの国では、国籍を取得するために帰化申請をする必要があります。

以下の章でも触れますが、帰化申請の場合は様々な条件を満たす必要があり、わりと大変な手続きです。

日本における重国籍について

ここで重国籍について少し詳しく解説します。

重国籍(二重国籍)とは、1人が2つ以上の国の国籍を持っている状態のことを言います。

日本では一人が2つ以上の国籍を持つことを認めていません。

そのため、出生や婚姻が理由で二重国籍になってしまった人は、どちらかの国籍を選択する必要があります。

国籍の選択について

20歳になる前に重国籍となった人は、22歳までに1つの国籍を選択する必要があります。

20歳を過ぎてから重国籍になった人は、重国籍となった日から2年以内に選択しなければなりません。

なお、「結婚によって比較的簡単に結婚できるケース」や「帰化して配偶者の国籍を取得するケース」において、

自らの意思で他国籍を取得した場合、他国籍を取得した時点で日本国籍を喪失します。

国籍離脱届/国籍喪失届の提出

国際結婚の結果外国籍を取得した場合は、国籍離脱届または国籍喪失届を提出する必要があります。

国籍離脱届と喪失届は似て非なるものです。

国籍離脱届

結婚や出生などによって2つ以上の国籍を持っている場合で、日本国籍を離脱する場合に提出する書類になります。

自らの意思で日本国籍を離脱する際にするのがこの届出です。

提出先 住所地を管轄する法務局、滞在先の日本大使館・領事館
必要書類 ・国籍離脱届

・戸籍謄本

・外国籍を有することを証明する書面 日本語訳付き

・住所を証する書面

・本人が15歳未満の場合は法定代理人の資格を証する書面

※役所によって必要書類は異なる場合があるので、届出前は事前に確認してからいきましょう。

国籍喪失届

自らの意思によって外国籍を取得した場合、その時点で日本国籍を喪失することになります。

そして本人は、国籍喪失の事実を知った日から3か月以内に届け出る必要があります。

国籍喪失届は、国籍を失った後の事後的届出であるという点で国籍離脱届とは異なります。

提出先 届出人の本籍地または住居地を管轄する役所、滞在先の日本大使館・領事館
必要書類 ・国籍喪失届

・国籍を喪失したこと(多国籍を取得したこと)を証明する書面 日本語訳付き

・現住所を証する書類

・本人確認書類

※役所によって必要書類は異なる場合があるので、届出前は事前に確認してからいきましょう。

国際結婚をした夫婦間の子供の国籍

国際結婚夫婦間の子供がどの国の国籍を取得するかは、出生地や父母の国籍によって決まります。

例えば父母のどちらかが日本国籍を持っていれば、生まれてくる子も日本国籍を取得します。

各国の国籍法の考え方を大きく分けると、「生地主義」と「血統主義」という2つに分かれます。

生地主義とは

両親の国籍とは関係なく、子どもが生まれた国の国籍が与えられる制度を生地主義といいます。

例えば、日本人夫婦の間に生まれた子どもでも、出生地がアメリカであればその子どもはアメリカ国籍を取得します。

生地主義を採用している国 アメリカ、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、パキスタン、ブラジルなど

血統主義とは

親の国籍を子供が承継できるのが血統主義です。

日本では血統主義を採用しているので、両親どちらかが日本人であればその子どもは日本国籍を取得します。これは、父母両系血統主義といわれます。

また国によっては、父親の国籍を承継する父系血統主義を採用している国もあります。

ちなみに、日本も1985年までは父系血統主義を採用していました。

父親が外国人で母親が日本人のハーフの子供は、日本国籍が取れない時代があったんですね。

父母両系血統主義の国 日本、韓国、フランス、イタリア、オランダ、スイス、フィリピンなど
父系血統主義の国 イラク、イラン、サウジアラビア、ネパール、インドネシアなど

このように、親の国籍や出生地によって子どもが取得できる国籍が変わってきます。

以下、例を見てみましょう。

例①(父親:フランス人 母親:日本人 出生地:日本)

フランスも日本も両系血統主義を採用しています。

したがって父親からはフランス国籍を、母親から日本国籍を承継し、子どもは2つの国籍を取得することになります。

例②(父親:フランス人 母親:日本人 出生地:アメリカ)

両親は例①と同じパターンですので、両国で採用している両系血統主義から子どもはフランス国籍、日本国籍を承継します。

また出生地のアメリカでは、基本的に生地主義を採用しているため、アメリカ国籍を取得することができます。

このパターンでは3つの国籍を取得することになります。

外国人配偶者が日本国籍を取得する方法

外国人配偶者が日本国籍を取得するには、法務局へ帰化申請をする必要があります。

日本国籍を取得すると母国籍はどうなる?

日本では二重国籍を認めていないため、帰化する場合は母国籍から離脱する必要があります。

国によっては兵役義務を終えないと母国籍を離脱できない場合もあるようなので、帰化する場合には要確認です。

日本国籍を取得するには、通常多くの要件を満たす必要があります。申請に必要な書類はめちゃめちゃ多いです。

しかし、日本人と結婚している外国人には朗報があります。

日本人の配偶者は、帰化の必要条件(住居要件)が一部緩和されます。

帰化申請の住居要件

一般的な外国人の場合

・引続き5年以上日本に住所を有していること(そのうち3年以上就労している必要あり)

日本人と結婚している外国人の場合

・引続き3年以上日本に住所を有していること(3年以上の就労必要なし)

または

・婚姻の日から3年を経過し、引続き1年以上日本に住所を有していること

このように、日本人の配偶者は帰化するにあたりメリットを享受できます。

また、永住権を取得するよりも、帰化の方が比較的簡単ともいわれています。

今後長く日本に住む予定で、帰化に興味があるという方は参考にしてみてください。

まとめ

ビザゴリ
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この記事では国際結婚と国籍について深掘りしてきたよ

国際結婚をすると、普段はあまりなじみのない国籍についても考える場面も出てくるとでししょう。

当サイトビザ部では国際結婚についてや、その後の配偶者ビザについても解説した記事がたくさんありますので、興味のある方はのぞいてみてください。

ABOUT ME
編集長 TAKAO
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。

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