配偶者ビザの申請書類の中で審査に大きく影響してくる書類といえば、
「質問書」
です。
日本の配偶者ビザ申請作業って、めちゃくちゃ大変やん!!😡🤬🥵🥶
質問書何度も書き換えたよ😭😭😭
ちゃんとやったから、審査通りますように!!!#配偶者ビザ #申請書 #質問書 #国際結婚 #日仏カップル #疲れたー— ひよこ@不安障害deゴリパラキッズ (@nichifutu) February 18, 2021
本記事では、その配偶者ビザ申請の最重要書類ともいえる質問書について、概要の説明から書き方までをビザ申請専門の行政書士が徹底解説していきます。
・質問書の正しい書き方を知りたい
・自己流で出したら不許可になってしまった
そんな人はこの記事が参考になります。
目次
配偶者ビザの質問書とは
配偶者ビザの質問書とは、その名の通り、出入国在留管理庁からあなたへの質問事項をまとめた書類です。
全8ページ、大きく分けて12項目の質問から構成されており、質問書は配偶者ビザ申請における最も重要な書類の一つです。
質問書では大きく以下のようなことが聞かれます。
質問書で聞かれること
・外国人配偶者、あなたの基本情報(名前・住所・電話番号等)
・外国人配偶者と日本人の家族構成
・結婚に至った経緯
・夫婦で使用している言語や日常のコミニュケーションについて
・結婚式の有無、お互いの国への渡航歴、退去強制歴、結婚歴の有無などの込み入った内容について
なお、質問書が必要となる申請は、
・在留資格認定証明書交付申請
・在留資格変更許可申請
です。
通常、在留資格更新申請の際は質問書は必要ありません。
しかし、再婚をした場合で、現在の配偶者が以前の配偶者と異なる場合、更新申請でも質問書が必要になります。
質問書作成前に重要なポイントをチェック
質問書の書き方を見ていく前に、質問書作成の上で重要になってくるポイントをチェックしておきましょう。
①質問書は日本人側で作成する書類
質問書は日本人の方が作成する書類です。
質問項目の中には外国人配偶者の事についての質問内容がありますが、
これは適宜配偶者の方に確認したり、パスポート等の公的書類を確認しながら質問書を作成していきます。
②嘘は絶対にダメ
質問書に嘘を書いたり、適当な事を書くのは完全NGです。
出入国在留管理庁は虚偽の申告が無いか、常に厳しい目でチェックしています。
そして過去の膨大な虚偽申告のケースから、矛盾点やおかしなところをすぐに見抜いてきます。
万が一嘘が発覚した場合、申請に不利益になることはもちろん、最悪の場合、在留資格不正取得罪に問われる可能性があります。
在留資格不正取得罪(入管法70条1項2号の2)
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
二の二 偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて本邦に上陸し、又は第四章第二節の規定による許可を受けた者
このように、万が一罪に問われることになった場合はかなり重い刑罰も待ち受けています。
審査を有利にするためにちょっとだけ・・・
といった甘い考えが後で命取りになってしまいます。
正直に記入することで少々審査が不利に働いてしまう事実があったとしても、質問書は正直に記載しましょう。
③他の提出書類とつじつまを合わせる
質問書には様々な質問事項がありますが、それらの内容は他の申請必要書類とつじつまを合わせる必要があります。
この提出書類と質問書の記載内容が合っていないと、後で審査官の確認が入ったり、追加の資料提出を要求される可能性が出てきます。
以下の例のように、他の提出書類を参考にしながら質問書を書いていきましょう。
質問書作成の為に参考にする提出書類
・住所 → 住民票
・職場情報 → 在職証明書、雇用契約書etc
・渡航歴 → パスポート
・今までの結婚歴について → 戸籍謄本、離婚証明書etc
配偶者ビザの質問書の書き方講座【実践編】
それではいよいよ質問書の書き方を解説していきましょう。
質問書は以下からダウンロードしてください。
まず最初に登場人物のプロフィールを簡単に紹介します。
登場人物
申請人・・・Visath Merinda アメリカ国籍
配偶者・・・ビザゴリ男 日本国籍
住居・・・賃貸マンションで間取りは2DK
配偶者職場・・・株式会社ビザ部で営業職
なお、質問書では申請人=外国人配偶者の事を指します。
そして配偶者=日本人です。
1.質問書の書き方(1枚目)
それでは項目ごとに質問書の書き方を解説していきましょう。
1-1.申請人の氏名・国籍・性別
上記の様に必要情報を書いていきます。
申請者とは、外国人配偶者を意味します。
氏名はパスポートのSURNAME(姓)から順に記入していきます。
国籍・地域について
国籍・地域の「地域」とは、台湾や香港のような、日本政府が国として承認していない地域が該当します。
1-2.配偶者の氏名・自宅住所等
赤枠で囲んであることころには、配偶者の氏名と自宅住所の情報を記入します。
なお配偶者とは、質問書を作成する日本人の事を指します。
以下赤枠部分の項目別解説です。
「国籍・地域」・・・日本人の方の氏名と国籍を記載します。
「住所」・・・住民票に記載してある住所をそのまま転記しましょう。
「電話」・・・自宅の電話が無い場合、上記画像のように該当なしと記入します。
「同居者の有無」・・・同居者がいる場合は(有)に✓を入れ、同居者の氏名を記入します。既に外国人配偶者の方と夫婦で同居生活をしている場合は、外国人配偶者の氏名を入れましょう。
「自宅について」・・・賃貸 or 持ち家に✓を入れます。賃貸の場合、月々の賃料と間取りを記入しましょう。
1-3.配偶者の職場情報
次に職場の情報を入力していきます。
「会社名」
勤務先の会社名を記入します。個人事業主の場合は屋号を記入しましょう。
「職務内容」
営業、経理、人事、システムエンジニア等
「所在地」
勤務先の住所を記入します。勤務先が本社ではなく営業所の場合、実際に勤務している営業所の住所を記入しましょう。
「電話番号」
上記画像の通り。所在地のケースと同じく、勤務地である営業所(or本社)の電話番号を記入します。
「就職年月日」
分からない場合は在職証明書、雇用契約書で確認しましょう。
2.質問書の書き方(2枚目)
質問書2枚目は結婚に至った経緯についてを記載していきます。
2-1.初めて知り合った時期・場所
①の始めて出会った時期については、2人が出会った詳細な日付を記入しましょう。
そんな詳細に覚えてないという方もいると思いますが、LINEやその他の通信履歴をさかのぼるなどして日付を記入します。
日付が不確実な場合は、上の記載例のように日付の欄を空欄にするか、もしくは当欄に「頃」と記載しておいても良いです。
出会った場所についても上の記載例のように、できるだけ詳細に記入します。
2-2.結婚に至るまでの詳しい経緯
質問書2枚目の②の項目には、夫婦二人が結婚に至るまでの詳しい経緯を書いていきます。
以下、ここで記載すべき結婚の経緯の内容を大きくまとめました。
結婚至った経緯で説明する内容
①夫婦である二人がいつ、どこで、どのようにして知り合ったのか
②どのように交際が始まり、どのようにプロポーズまでに至ったのか
③今後どのような結婚生活を送り、生計を立てていくか
なお、上の記載例では「別紙のとおり」とされています。
このケースでは質問書の別紙として「申請理由書」を作成し、より詳細に結婚に至る経緯を説明しています。
結婚に至る経緯をこの質問書に記載せず、申請理由書として別途書類を作成するメリットとしては、
「より詳細な説明をすることによって、審査官の印象が良くなり、審査が有利に進みやすくなる可能性がある」
という事が挙げられます。
このような理由から筆者は、配偶者ビザを申請する際は必ず別紙として、申請理由書を作成することをオススメします。
申請理由書に決まった書式はありませんが、よりわかりやすく理解できるよう、申請理由書書き方を解説した記事を以下に貼っておきますので、是非参考にしてみてください。
3.質問書の書き方(3枚目)
それでは3枚目を詳しく見ていきましょう。
3-1.紹介者の有無などについて(無の場合)
仕事先で出会ったケースなど、紹介者がいない場合もあるでしょう。
その場合は上の画像のように「無」にチェックを入れ、次の質問「夫婦間の会話で使われている言語・・・」に進みます。
3-2.紹介者の有無などについて(有の場合)
上の画像は紹介者がいる場合の記載例となります。
以下、紹介者の質問項目の中で注意が必要な箇所を解説していきましょう。
「在留カード番号について」
紹介者が日本に在留している外国人の場合に記入します。該当が無ければ「該当なし」と記入します。
「紹介された年月日、場所、及び方法について」
年月日や場所については、出来るだけ詳しく記載しましょう。
LINEやメッセージアプリなどの通信記録が残っていないかどうか要確認です。
なお、場所については、連絡先だけ教えてもらった場合等は「該当なし」と記入します。
「紹介者と申請人の関係について」
申請人=外国人配偶者です。
上の記載例のように、知り合った時期と場所など出来るだけ詳細に記入しましょう。
「紹介者と配偶者の関係について」
配偶者=日本人のあなたです。
上に同じく、詳細に記載していきましょう。
3-3.夫婦間で使われている言語について
夫婦で日常使用している言語を記入します。
基本的に日本語で話して、外国人配偶者が分からない時だけ英語に切り替えるという場合は、上の例のように記入します。
母語に関しても、スイスのようにドイツ語、フランス語、イタリア語等複数の公用語がありそれぞれ使っている場合、複数記入しても大丈夫です。
4.質問書の書き方(4枚目)
やっと半分の4枚目に入りました。
4-1.外国人配偶者は日本語をどの程度理解できるのか・日本人側は相手の言語を理解できるのか
配偶者ビザの審査に当たって日本語能力のテストはありませんので、あくまでここは自己申告です。
日本人側の言語能力も同じです。
しかし、嘘は必ずばれますので、変に盛ったりせずに正直に今の状態を申告しましょう。
4-2.外国人配偶者は日本語をいつ、どのようにして学んだのか
日本語いつ、どのようにして学んだのかを詳細に記載していきましょう。
上の例のように、大学で日本語を専攻していたことや、日本企業での就職経験があれば積極的に書いていきましょう。
特に上記の様な経歴が無い場合でも、独学で数年間学んでいる場合や、日本人自ら日本語を教えてあげているのであれば、それらも記載しましょう。
4-3.お互いの言葉が通じない場合の意思疎通方法
言葉が通じない場合、簡単な言い回しに変換可能であれば変換しますし、より正確に伝えたい場合は翻訳アプリを利用する事も多いのではないでしょうか。
場合によってはボディーランゲージの使うかもしれません。
上の例をそのまま記載してしまってOKです。
4-4.通訳者の有無
かつて通訳者が介在していた場合は、通訳者の氏名・国籍・住所を記入します。
いない場合は、上の例のように「該当なし」と記入しておきましょう。
4-5.結婚届出時の証人の有無
結婚をした際、日本国内で先に結婚を成立させた場合必ず証人がいるはずですので、上の例の様に記入していきます。
また、海外で先に結婚を成立させた場合、以下の画像のように記入します。
海外で先に結婚を成立させた場合は、日本の役所に※報告的届出として婚姻届を提出する為、証人は必要ありません。
創設的届出と報告的届出
日本人が国際結婚をする際、日本で最初に婚姻手続きを行う場合ことを創設的届出と言います。
外国で最初に婚姻手続きを行い、その後日本で手続きを行うことを報告的届出と言います。
5.質問書の書き方(5枚目)
質問書5枚目の解説に入ります。
5-1.結婚式を行った場合、その日付・場所・参加者
結婚式を行った場合は、上の例のようにその概要を記載していきます。
「年月日」
挙式を行った日付を記入します。
なお、これから結婚式を行う予定がある場合、以下の画像のように日付の横に(予定)と入れましょう。
結婚式の予定があるだけでも審査は有利に働きます。
「場所」
住所を記入します。
予定の場合は(予定)と記入します。また、まだ会場が決まっていない場合は(未定)と記入すればOKです。
「出席者」
出席者に〇をつけます。
なお兄弟姉妹が複数人いる場合、「妹(2人)」のように記入しましょう。
「双方の出席者」
双方の出席者の合計を記入します。
正確な数字が分からない場合はざっくりでも大丈夫です。
5-2.結婚歴について
結婚歴については、初婚か再婚の欄にチェックをします。
過去に結婚歴がある場合は、上の画像のように結婚していた期間を記載します。
前婚の期間については、戸籍謄本に前婚の記載がある場合はそのまま転記しましょう。
外国人配偶者に離婚歴がある場合
離婚歴が複数ある場合や、過去の結婚期間が著しく短い場合等は審査が厳しくなる傾向があります。
その場合、申請理由書に前婚の離婚の経緯などを詳細に説明しましょう。
また、過去にDVを受けたことによる診断書や、前婚相手の浮気の証拠資料等がある場合は、提出できると尚良いです。
s5-4.外国人配偶者(申請人)の来日回数
来日回数と時期はパスポートで確認できますので、正確な回数と時期を記入しましょう。
また、外国人配偶者の方が現在も何らかの在留資格をもって日本に在留してる場合、上の例のように「~現在」というように記入します。
来日目的は「観光」「仕事」「留学」「就労」など、ざっくりでOKです。
6.質問書の書き方(6枚目)
質問書6枚目です。
6-1.外国人配偶者の母国に訪れた回数と時期(知り合ってから結婚前)
知り合ってから結婚までの間に、外国人配偶者の母国に訪れている回数とその時期を上の画像のように記入していきます。
詳しい時期に関してはパスポートから転記しましょう。
6-2.外国人配偶者の母国に訪れた回数とその時期(結婚後)
結婚後に渡航した回数と時期についても、結婚前と同じ要領で記入していきます。
結婚前と結婚後の線引き
両国で婚姻手続きが成立していなくても、どちらか一方の国で婚姻手続きをした後は「結婚後」に該当すると考えます。
6-3.退去強制の有無とその内容
退去強制の有無にチェックを入れましょう。
過去にオーバーステイなどで退去強制になったことがある場合は、下にその内容を詳しく記載していきます。
残念ながら過去に退去強制になってしまった経験がある場合、配偶者ビザの審査は厳しくなってしまいます。
7.質問書の書き方(7枚目)
質問書7枚目の解説です。
7-1.退去強制される際に同居していた住所
過去に退去強制があり、更にその際に夫婦で同居していたことがある場合に限って記入します。
そもそも退去強制をされたことが無い方に関しては、何も記入しなくてOKです。
7-2.外国人配偶者と日本人の親族について
上の画像例のように親族の住所、連絡先を記入していきます。
日本人配偶者の親族の情報に関してはできるだけ詳しく記入するようにします。
外国人配偶者の親族に関しても詳細を記載するに越したことはありませんが、住所は都市名まででOKです。
また、親族の方が亡くなられている場合は住所欄に「死亡」と記載します。
8.質問書の書き方(8枚目)
最後のページ、8枚目の書き方です。
8-1.子供について
夫婦の実子や、前妻(夫)との間に子供がいる場合は記入します。
いない場合は上の画像例の通り「該当なし」でOKです。
8-2.結婚の事実を知っている親族
親族のなかで結婚を知っている人に〇をつけます。
親族間の人間が結婚する際は、通常親族間で周知されると考えられますので、結婚を知らない親族の存在は審査にマイナスに働きます。
また、親族に〇をつける際、その親族が妻側なのか、夫側なのか間違えないようにしましょう。
ここで間違えるケースが多いです。
8-3.作成した日付と署名
最後は質問書を作成した日付と、名前を署名を自筆で入力します。
長い間お疲れさまでした!これで質問書完成です!!
まとめ
本記事では質問書の書き方を解説していきましたが、参考になりましたでしょうか。
申請者が作成するべき書類の中で、おそらく最も労力を要するのがこの質問書の作成です。
そしてやはりこの質問書のクオリティは審査の可否にも関わってきますので、解説を参考にして万全の準備で申請に臨みましょう。