永住権

【最新版】永住権許可率の最近10年間の推移をみてみる

2019年の永住許可ガイドラインの改定に伴い、審査も厳しくなったと聞いた人も多いでしょう。

この記事では、2022年現在に公表されている永住権の許可率の推移を10年間分紹介します。

そして永住権の取得は本当に厳しくなったのか、不許可になってしまう理由などを検証していきます。

この記事を読むとわかること

・直近の永住権の許可率

・10年間の許可率の推移

・不許可になってしまう主な理由とその対策

直近の永住権の許可率

2022年現在、公開されている直近の年次データは2020年のものになります。

2020年の永住権の許可率は、51.67%でした。

 

処理件数 許可件数 許可率
57,570 29,747 51.67%

 

この数字を見ると、申請した2人に1人は許可が下りていることになります。

永住権許可率の10年分の推移を見てみる

2019年の永住許可に関するガイドラインの改定から、近年永住許可の審査が厳しくなっています。

そこで、審査厳格化の影響もみるために10年分の許可率の推移をグラフにしました。

10年間の推移でみてみると、2017年あたりから許可率が減少して50%台に突入しているのが分かります。

2011年のそれと比べると、2020年の許可率は20パーセント以上減少しています。

2019年以降の永住審査の厳格化だけが許可率の低下を招いた原因とはいえませんが、以前に比べて永住許可が取得しずらくなっているのは事実のようです。

2021年以降の許可率もこれから公表されてきますが、コロナの影響などもあり予測が難しいです。

これからも引続き注視していきます。

永住許可に関するガイドラインの改定とは

2019年にガイドラインが改定され、以前に増して審査が厳格化されました。

参照:出入国在留管理庁

具体的な変更点は以下の点です。

  • 収入の証明が3年分から5年分必要となった
  • 国民年金や国民保険の加入状況も審査対象となった

収入の証明が3年分から5年分必要となった

以前は3年分でよかった住民税の納税証明書・課税証明書の提出が、5年分必要となりました(就労系ビザから永住を申請する人)。

それに伴い、5年間継続して永住許可の年収基準を満たしていることが必要となりました。

国民年金や国民健康保険の加入状況も審査対象となった

公的義務(納税や年金、保険料の納)を適正に履行していることという要件が明記され、年金や健康保険料の支払い状況も審査対象となりました。

それに伴い、社会保険料を収めていることを証明する2年分の資料が提出必須となりました。

公的保険料の支払いに関しては特に厳しく、1日でも支払いが遅れている場合は要件を満たしていないと判断されてしまいます。

永住許可申請が不許可になる理由

永住権の許可率をあげるためにも、どのような理由で不許可になるのかを知っておいた方が良いでしょう。

ここでは不許可になる理由の一例を紹介します。

収入が低い

永住許可に必要な年収額は公式に公表されているわけではありません。

しかし実務家の中では一般的に最低年収300万円以上必要と言われています。

また、扶養者が一人につき約70万円の収入が必要とされています。

 

収入額は申請の前年分だけ超えていれば良いというわけではなく、数年継続してこの基準を超える必要があります。

そして、現在有している在留資格よって必要継続年数が異なります。

 

(例)

申請者1人扶養者なし

 

【就労系ビザの場合】

5年間連続して年収300万円以上必要

 

【日本人の配偶者等、永住者配偶者等の場合】

3年間(または1年間)連続して年収300万円以上必要

 

【高度人材外国人の場合】

3年間(または1年間)連続して年収300万円以上必要

 

あなたの年収がこの基準に達していない場合、不許可になるリスクが高まります。

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社会保険料を期限通りに支払えていない

上でも解説しましたが、永住許可のガイドラインの改定に伴って社会保険料に関する審査が厳しくなりました。

社会保険料の支払いについて注意しなければならないのは以下の2点です。

  • 原則2年以上の納付実績があるか
  • 納付期限を守っているか

そして2年間の支払い実績のうち1日でも支払いが遅れた月があれば永住申請は不許可になる恐れがあります。

審査はそれほど厳しくなっています。

もしも現在期限通りに支払えていない場合、期限通りに支払いを始めてから最低2年の実績を作って永住申請を行いましょう。

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交通違反など、前科や前歴がある

罰金刑以上の判決を受けた場合や、刑務所に服役した場合、一定期間が経過するまでは永住許可が下りることはありません。

また交通違反のような軽微なものでも、繰り返し行っている場合不許可になることがあります。

交通違反の場合、約5年で5回以上の違反があると不許可のリスクが上がるといわれています。

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長期間日本を離れていた時期がある

一般的に永住権を申請できる外国人は、引続き10年以上日本に在留している必要があります。

しかし年間で100日間以上または1回の出国で3か月以上の出国がある場合、「引続き日本に在留している」とは判断されず、今までの在留年数がリセットされてしまう恐れがあります。

在留年数がリセットされた場合、そこからまた必要年数日本に居ないと永住申請ができないわけですから、シャレになりません。

出張などで長く日本を離れる期間が多い人は特に気を付けましょう。

提出書類に不備がある

永住許可申請には膨大な書類が必要となります。

住民票や課税証明書など、役所から取り寄せる資料に加えて、申請書や理由書など作成が必要となってくる書類もあります。

これらの提出書類に不備があると申請が不許可になる場合があります。

この場合、適切な書類を揃えて再申請をすれば許可されることが多いです。

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永住権の許可率を上げるために

少しでも許可率を上げたい場合、行政書士などの専門家を利用すると良いでしょう。

業者に依頼した場合、書類の収集、作成から提出まですべて丸投げすることが可能です。

また、依頼費用が高額で悩んでいる方は、専門家による書類チェックサービスの検討も視野に入れることをオススメします。

書類チェックサービスの場合、主な書類の収集や作成は自身で行う必要がありますが、通常の申請代行の半額以下で申請書類のチェックやアドバイスを受けることができるので、自力で行くより許可率は上がるはずです。

少しでも許可率を上げたい方は、このような専門家によるサービスも検討してはいかがでしょうか。

もちろん、ビザ部から行政書士への無料相談もお気軽にご利用ください。

ABOUT ME
編集長 TAKAO
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。

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