永住権

【完全解説】永住権の身元保証人とは?その条件やリスク、記載例まで

日本で永住権の申請をする際には身元保証人が必要です。

「身元保証人」と聞くと、なんだか責任重大な大変なことと思いがちですよね。

しかし永住権の申請でいう「身元保証人」とは、あなたが思っているほど仰々しいものではありません。

この記事ではここでいう身元保証人とはなにか、身元保証人になる条件やリスク、また身元保証書の書き方まで、徹底解説していきます。

この記事を読むとわかること

・永住権の身元保証人について

・身元保証人になる条件やリスク

・身元保証人が揃えるべき書類

・身元保証書の書き方

永住権の身元保証人とは

永住許可申請では身元保証人が必ず必要となります。

実際、申請の際には申請書等に加えて「身元保証書」を添付しなければなりません。

身元保証人は、永住申請を行う外国人の以下ののことについて保証をします。

外国人が日本の法令を遵守し、公的義務を適正に履行する為に必要な支援を行うこと。

※令和4年6月に上記の内容に変更となりました。

「身元を保証する」というと、なんだか重大なことのようで抵抗がある方もいるようですが、ここでいう身元保証には法的拘束力はありません。

したがって、借金の肩代わりをする連帯保証人のような法的責任は一切ないです。

たとえば、仮に外国人が日本の法令違反で逮捕されたとしても、身元保証人に責任が及ぶようなことはありません。

これを、身元保証の道義的責任といいます。

道義的責任と法的責任 

道義的責任=人として正しいとされる道理を守るべき責任。

法的責任=法律によって人に課された責任。

身元保証人になれる人

誰でもなれるわけじゃないのがこの身元保証人です。

身元保証人になれる人

身元保証人になれる人は、

・日本人

・日本の永住権を持った外国人

に限定されます。

したがって、同僚の永住権を持っていない外国人に身元保証人を依頼することはできません。

身元保証人になるための条件

日本人や永住権を持った外国人だとしても、以下の一定の条件を満たしている必要があります。

・職についていること

・年収300万円以上(が好ましい)

・住民税等の税金を納めていること

これらを満たしていなければ身元保証人として不適格とみなされ、ひいては申請が不許可になる恐れがあります。

【在留資格別】身元保証人の選任パターン

申請者が現在持っている在留資格によって、身元保証人の選任パターンが異なってきます。

以下、在留資格別に解説します。

就労系在留資格から永住申請をする場合

この場合、勤務先の社長や上司、同僚や日本人の友人に身元保証人をお願いすることが多いようです。

「日本人の配偶者」「永住者の配偶者」から永住申請する場合

この場合は日本人の配偶者や親、もしくは永住権を持っているの配偶者や親に身元保証人をお願いすることが多いです。

周りの人が身元保証を引き受けてくれなかったとき

周りの人が「身元保証人」の意味を勘違いしているかもしれません。

その時はこの記事を見せるなりして、身元保証人に法的責任は一切ないことを伝えましょう。

また、世の中には身元保証人を代行してくれる会社がありますが、身元保証人がいないからとこのような会社を利用するのは注意が必要です。

身元保証人の実態がないことが万が一審査官に発覚した場合、永住が不許可になる恐れがあります。

身元保証人のリスク

上で身元保証人には法的責任がないことは散々解説してきましたが、リスクがゼロかといえばそうではありません。

身元保証をした外国人が法令違反などを犯してしまう等、身元保証人としての監督責任が果たせなかった場合は、今後ほかの外国人の身元保証人になることはできないでしょう。

「なんだそんなことか」と思うかもしれません。

しかし、将来もし大切な人に身元保証人をお願いされたとき、力になれないのは何ともやるせなく感じるのではないでしょうか。

永住申請の際に必要となる身元保証人に関する書類

永住申請の際は身元保証人に関する以下の書類を提出します。

  • 身元保証書
  • 身元保証人の身分事項を明らかにする書類(運転免許証写し等)

2022年6月以前は、身元保証人の住民票や課税・納税証明書、在職証明書の提出も求められていましたが、現在入管が提示しているのは上記の書類のみになります。

しかし、ケースによっては住民票や課税・納税証明書等も引き続き求められることがあるかもしれません。

身元保証書


身元保証人本人が自筆で署名する必要があります。

書き方については以下の章で解説します。

住民票

引用元:荒川区

身元保証人が住民票を置いている市区町村の役所で取得することが可能です。

申請には発行から3か月以内の原本が必要となります

また、記載内容はマイナンバーのみ省略し、他の事項は全て省略がないものを添付します。

※令和4年6月以降提出は任意となります。

住民税の課税証明書

住民税の課税証明書とは、住民税の税額を証明するもので、前年1年間の所得額が記載されている書類です。

その年の1月1日までに住んでいた市区町村の役所から発行されるものです。

発行から3か月以内の書類が必要です。

※令和4年6月以降提出は任意となります。

住民税の納税証明書

税証明書は上述の課税証明書とは異なり、納付すべき住民税の金額や納付済み額、未納額などが記載された書類です。

その年の1月1日までに住んでいた市区町村の役所から発行されます。

※令和4年6月以降提出は任意となります。

職業を証する証明書

身元保証人が会社員か、または自営業者・会社経営者かで提出する書類が異なります。

<会社員の場合>

・在職証明書→会社で取得

・会社案内→パンフレット、会社HPの印刷画面等

<自営業者・会社経営者の場合>

・会社の登記事項証明書→法務局で取得

・会社定款のコピー

・営業許可証のコピー

・法人税の確定申告書のコピー

・会社案内→パンフレット、会社HPの印刷画面等

※令和4年6月以降提出は任意となります。

永住許可申請の一般的な必要書類を確認したいという方は以下の記事をご覧ください。

【完全版】永住許可申請の必要書類を専門家が徹底解説取得するとメリットが多い日本の永住権ですが、その申請手続きはとても煩雑で、準備しなければならない必要書類も膨大です。この記事では、そんな永住許可申請の必要書類を解説していきます。...

永住権の身元保証書の書き方【最新版】

ここでは上の記載例をみながら身元保証書の書き方を解説していきます。

身元保証書が手元にない方はこちらからダウンロードしてください。

1.作成した日付

日付欄には、身元保証書を作成した日付を記入しましょう。

2.国籍

国籍欄には申請者の方の国籍を記入します。

なお、記載例では「アメリカ合衆国」と記載していますが、通称名の「アメリカ」でも問題ないです。

例:中国(中華人民共和国)、フィリピン、韓国(大韓民国)

 3.氏名(外国人配偶者)

氏名はパスポートの表記をそのまま転記しましょう。

パスポートのSURNAME/GIVENNAME(姓)から順に記載していきます。

4.氏名(身元保証人)

身元保証人の氏名は自筆で記入しましょう。

以前の書式では印鑑を押印する必要がありましたが、現在は押印不要です。

その代わりに自筆で記入します。

5.住所・電話番号

身元保証人の住所を記入します。

住所は住民票から転記します。

電話番号は日中繋がりやすい電話番号を記載しておきましょう。

6.職業・勤務先

職業と勤務先を上の例のように記入します。

自営業の方や会社役員の方は以下の例のように記入すればOKです。

(自営業者の場合)

(会社役員の場合)

電話番号は、実際に勤務している営業所の電話番号を記載するようにしましょう。

7.国籍(身元保証人)

身元保証人の国籍を記入します。

8.被保証人との関係

永住申請をする方と、身元保証人の関係を記入します。

まとめ

ビザゴリ
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今回の記事では永住権の身元保証人について解説してきたけど、参考になったかな?

身元保証書や身元保証人に関する書類は、永住申請の中のほんの一部の書類にすぎません。

自分で行う時間がない方や、膨大な書類の作成に忙殺されたくない方は、是非ともビザ申請の専門家に無料で相談をしてみましょう。

ABOUT ME
編集長 TAKAO
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。

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