配偶者ビザの申請をする際には、スナップ写真が2~3枚の提出が必要とされています。
本記事では、申請に必要なスナップ写真についての重要性や、実際に写真を紙に貼り付けて提出する際のアドバイスを、
ビザ申請専門の行政書士である筆者がわかりやすく解説していきます。
<この記事が参考になる人>
・配偶者ビザの申請をする予定がある人
・2~3枚の写真を適当に選んで提出して申請したら、申請が不許可とされてしまった人
・配偶者ビザ申請について詳しく知りたい人
目次
配偶者ビザ申請におけるスナップ写真の重要性
配偶者ビザ申請の審査において重視されるのは、
●婚姻関係の信憑性
●婚姻生活の安定性
●婚姻関係の継続性
この3点です。
そして、スナップ写真を提出する最大の目的は、夫婦の婚姻関係の信憑性を立証する事です。
残念ながら、現在も偽装結婚は横行しており、出入国在留管理庁はそれを水際で防ごうと目を光らせています。
したがって、夫婦で写っている写真がほとんどない場合などは、入管はまず偽装結婚を疑ってかかってくるでしょう。
他の書類をどんなに完璧に揃えたとしても、写真がある場合に比べると審査は不利になってしまいます。
また反対に、夫婦ツーショットだけでなく、家族や友人も含めた写真等、多くのシチュエーションで撮られた写真を提出できる場合、審査はより有利になるはずです。
たかがスナップ写真と思うかもしれませんが、どのようなスナップ写真を何枚提出でいるきるかで、審査の動向は左右されるのです。
以下では、どのようなスナップ写真を提出すると審査をより有利に進めることができるのか、詳しく解説していきます。
スナップ写真の提出
配偶者ビザ申請の際にスナップ写真の提出が必ず求められているのは、
・在留資格認定証明書交付申請
・在留資格変更申請
の際になります。
しかし、筆者は在留資格更新申請の際も提出を推奨しています。
特に、別居している場合や、そもそも再婚をして配偶者が変わっている場合は、新規と同様にスナップ写真を提出しましょう。
スナップ写真を提出する上でのアドバイス
ここで、これから配偶者ビザの申請をするあなたへ、実際にスナップ写真を提出する上でのアドバイスをしていきましょう。
スナップ写真は最低10枚以上添付しよう
冒頭でも紹介しましたが、入管のホームページでは、夫婦で写っている写真を2~3枚を申請の必要書類としています。
しかし、筆者のようなビザ申請のプロが申請を行う際は、スナップ写真は10枚以上添付します。
10枚とは言わず、20枚~30枚以上添付することもあります。
入管がホームページで掲載している写真の枚数は、あくまで最低限の数字です。
「この結婚は偽装結婚ではない。正真正銘の結婚である。」
という事を確実に立証していくため、スナップ写真は最低10枚、できれば15枚以提出できると好ましいです。
○○枚提出すると許可が下りる、という明確な線引きは存在していませんが、少ないよりも多い方が良いのは間違いないです。
異なる日時、場所、シチュエーションで撮られた写真を添付しよう
上で出来るだけ多く写真を添付しよう!と言ってきましたが、ただ単に多いだけじゃダメなのです。
特に、
・同じ日に撮られた写真
・同じ場所で別の日に撮られた写真
これらを大量に添付して申請したところで意味はありませんし、むしろ印象が悪くなる恐れさえあります。
同じ日に撮られた写真を複数枚添付したところで、それは1枚とカウントされてしまうのです。
したがって、異なる日時、場所、シチュエーションで撮影した写真を多く添付するという事が申請のポイントとなります。
家族や友人と一緒に写っている写真を提出しよう
夫婦でのツーショットでの写真はもちろん提出必須ですが、ツーショットのみを20枚提出しても完璧とは言えません。
そこで、
・友人と夫婦で撮った写真
・お互いの両親と夫婦で撮った写真
を提出することができれば、二人の関係の信憑性をよりアピールすることに繋がります。
だって、偽装結婚であるならば、わざわざ相手を両親や友達に紹介しませんからね。
二人の関係を公にしており、その裏付けとして写真を残しておく。
それができていれば、後々二人の婚姻関係を証明し得る強力な立証資料になるでしょう。
質問書(申請理由書)に記載した事とスナップ写真をリンクさせよう
配偶者ビザ申請の際には、質問書(又は別紙として申請理由書)という書類に、交際の経緯を詳細に記載する必要があります。
質問書、申請理由書に関しては以下を参考にしてください。
質問書(理由書)記載する内容としては、
・初めて会ったときの事
・二人で行った旅行の事
・相手の国へ行ったときの事
・家族で顔合わせをしたときの事
など、今までどのような交際をして、どのように結婚に至ったのかを詳細に記載していきます。
そこで、
質問書の記載内容→添付するスナップ写真
●二人で行った旅行の事
→ 観光地で二人で撮った写真を添付
●相手の国へ行ったときの事
→ 相手の家で二人で撮った写真を添付
●家族で顔合わせをしたときの事
→ 家族との集合写真を添付
このように、質問書に記載した事とリンクするスナップ写真を添付できると、信憑性が高まりなお良いでしょう。
スナップ写真の提出方法
実際の配偶者ビザ申請にあたって、スナップ写真の提出用紙を作成する手順は以下のようになります。
①提出する写真の選定
↓
②写真をプリント
↓
③A4用紙にプリントした写真を貼り付け、説明を記載
以下、それぞれ解説していきます。
①提出する写真の選定
上でも解説した通り、同じ日に撮られた写真を何枚も選んでも意味がありません。
異なる日時、場所で撮られた写真を選びましょう。
また、質問書や申請理由書に記載する事とリンクしている写真があれば尚良いです。
②写真をプリントする
写真を選んだら、1枚ずつプリントアウトします。
自宅にプリンターがあると良いですが、コンビニでもスマホから簡単にプリントすることが可能です。
③A4用紙にプリントした写真を貼り付け、説明を記載
写真をプリントしたら、A4の用紙を台紙として、上図のように貼り付けます。
そして空いているスペースに、その写真が撮られた日時と場所を簡単に記入しましょう。
特に決まった書式や記載方法は無いので、日時や場所が不明な場合は何も書かなくても良いですが、できれば書いた方がベターです。
夫婦の写真がない場合
「写真が嫌いなので、今まで二人の写真を撮ってこなかったんです」
このようなご夫婦は実は割と多いです。
確かに、人によっては写真が嫌いだったり、写真をとる普段から撮る習慣が無かったりすることもあるでしょう。
実際、普通だったら写真なんか撮らなくても何も問題ありません。
しかし、これは配偶者ビザの申請です。
スナップ写真のような交際を裏付ける資料の添付がない場合、結婚の信憑性は弱まり、審査が難航する恐れもあります。
そのような状態にある人へのアドバイスです。
今から出来るだけ多くの写真と撮りましょう。
スマホで撮った写真は全てクラウドに保存して大切に保管しましょう。
現状で裏付けの資料が無い場合は、「今から」作っていくほか無いんです。
写真を撮ってこなかった過去はどうにもなりませんし、消えたデータも復活はできないでしょう。
しかし、もし配偶者ビザが本当に欲しいのであれば、今から、出来ることから始めるのが肝要です。
また、時間に余裕があるのであれば、資料を十分に揃えてから申請に臨むの一つの方法だと思います。
まとめ
今回は配偶者ビザの申請の際に添付するスナップ写真にフォーカスを当てて解説していきましたが、参考になりましたでしょうか。
入管のHPでは、「スナップ写真は2~3枚付ければ良い」としか記載が無いため、スナップ写真の提出を甘く考えがちです。
しかし実際、スナップ写真は審査の動向を左右し得るほど重要な資料です。
出来るだけこの記事を参考にしてスナップ写真を提出することができれば、そうしなかったときより、少しでも審査を有利に運ぶことができるはずです。
配偶者ビザ申請の際は、是非この記事を参考にして申請に臨んでみてください。