就労ビザ

【徹底解説】就労ビザを持っている外国人は副業アルバイトできるのか

「技術・人文知識・国際業務」や「技能」といった就労ビザをもつ外国人は、週末や空いた時間に副業やアルバイトは可能なのでしょうか。

ビザ申請の専門家である行政書士が、分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること
  • 就労ビザをもつ外国人が副業アルバイトする方法
  • コロナ影響下の国の対応について
  • 副業を自由にするためには
  • 資格外活動許可の申請方法

就労ビザを持つ外国人は、副業としてアルバイトはできるのか

結論から言うと、就労ビザを持つ外国人も、副業としてアルバイトをすることは可能です。

就労ビザを持つ外国人が副業としてアルバイトをする場合、以下の2パターンがあります。

  1. 資格外活動許可が不要なパターン
  2. 資格外活動許可が必要なパターン

この2点の詳しい説明に入る前に、資格外活動許可について簡単に説明しましょう。

資格外活動許可とは

現在の在留資格で認められている範囲外の活動で、収入が伴う活動をする場合、資格外活動許可を受ける必要があります。

分かりやすい例として、「留学」の在留資格で日本にいる外国人留学生が、資格外活動許可を受けてアルバイトをするようなイメージです。

資格外活動許可が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 資格外活動を行うことによって、本来の在留資格の活動がおろそかにならないこと
  • 本来の在留資格にかかる活動を継続して行っていること
  • 資格外活動が、入管法で定められた一定の活動に該当すること
  • 資格外活動が、法令に違反する活動や、風俗営業に該当しないこと
  • 収容令書の発布を受けていないこと
  • 素行が不良でないこと
  • 本業の雇用元の会社が副業について了承、同意していること

資格外活動許可には、「包括許可」と「個別許可」があります。

就労ビザを持っている外国人が資格外活動許可が取得する場合、「個別許可」を取得することになります。

個別許可の場合、アルバイト先の企業ごとに各々許可されることになります(包括許可の場合は個々の企業は問われず、包括的に許可が下りる)。

資格外活動許可が不要なパターン

就労ビザを持つ外国人が副業としてアルバイトする場合でも、資格外活動許可が不要なパターンがあるので以下紹介します。

  1. 報酬が発生しないケース(ボランティア等)
  2. 業として行うものではない活動に対して報酬を受けるケース
  3. 日常の家事に対して謝金をもらうケース
  4. 現在の在留資格の範囲内で活動をするケース

報酬が発生しないケース

例えば、友人が経営しているお店を無給でお手伝いするケースです。

この場合、資格外活動許可が必要となる条件の「報酬を伴う活動」には該当しないため、特別に許可を受ける必要はありません。

業として行うものでない活動に対して報酬を受けるケース

日常的に反復継続する活動ではなく、一回キリの活動に対して報酬を受けるケースは資格外活動にあたりません。

例えば、大学で1日だけ特別講演を依頼され、報酬を受けるケースがこれに当たります。

日常の家事に対して謝金をもらうケース

例えば、友達の引越しを1日手伝い、日当として謝金を受け取るケースです。

もちろん、引越業者として繰り返しこのような活動を行うのはアウトですが、1回きりなら資格外活動に該当しません。

現在の在留資格の範囲内で活動をするケース

WEBマーケティングを行うとして「技術・人文知識・国際業務」を取得し、IT企業で働く外国人が、就業時間外に他社でWEBマーケターとしてアルバイトをするような場合が該当します。

この場合、WEBマーケティングは在留資格で認められた活動の範囲内の為、資格外活動には該当しません。

資格外活動許可が必要なパターン

現在の在留資格の範囲外の就労をして収入を得ようとする場合、資格外活動許可が必要となります。

【例】

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人が、週5日で本業をこなしながら、土日は大学の非常勤講師として働く場合

本業とは別に、副業としてお金を稼ぎたい場合は基本的に資格外活動許可が必要と思っておいて間違いないと思います。

資格外活動許可を申請する際の注意点

さて、この資格外活動許可ですが、就労ビザをもって日本で働く外国人であれば必ず許可が下りるという性質のものではありません。

資格外活動許可を取得する為には、資格外活動の内容が以下の項目に合致していなければなりません。

  1. 単純労働ではない
  2. 法令に違反する活動ではない
  3. 風俗営業に関する活動ではない
  4. 現在の在留資格による活動(本業)を妨げる活動ではない

以上の項目に一つでも反する場合、資格外活動許可は下りませんので、申請前に要確認です。

以下それぞれ解説します。

単純労働ではない

資格外活動の内容が、単純労働である場合許可は下りません。

単純労働とは、特別な知識や技術が必要ない仕事であり、例えばコンビニのレジ打ち居酒屋のホールスタッフなどです。

【例】

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもつ外国人が、週4日勤務先で本業の通訳・翻訳業務に従事し、週2日は勤務先近くのカフェでウェイトレスとしてアルバイトすることはできない

ここで注意が必要なのは、資格外活動として単純労働の仕事ができないのは、就労ビザを持った外国人であり、「留学」や「家族滞在」の在留資格を持っている外国人は単純労働の仕事でも資格外活動許可が下り得ます。

法令に違反する活動ではない

当たり前ですが、非合法の仕事は認められません。

風俗営業に関する活動ではない

風俗営業関する活動とは、性風俗店、キャバクラ、麻雀店、パチンコ屋等が該当します。

ネットを介して行うアダルト系チャットレディ的な仕事もアウトです。

資格外活動として上記の活動を行うことは認められていません。

現在の在留資格による活動(本業)を妨げる活動ではない

資格外活動を行うことにより、本業としての活動が妨げられるのであれば本末転倒です。

なお、資格外活動が本来の活動を妨げるかどうかについては、単に資格外活動の時間や報酬の多寡によるものではなく、実質的に判断するものとされています。

コロナウイルスの影響下での資格外活動許可について

コロナウイルスの蔓延により、企業の雇用状況が悪化し、解雇されてしまう人も増えています。

現在国はそのような人に対し、特段在留資格の変更をせず、資格外活動許可を得て働きながら就職活動ができるとしています。

以下の項目に該当する人は、現に有する在留資格のまま、資格外活動許可を得て働くことができます。

  1. 雇用先から解雇又は雇止めの通知を受けた方で、就職活動を希望する方
  2. 雇用先から待機を命じられた方で復職を希望する方
  3. 雇用先から勤務日数・勤務時間の短縮を命じられた方で,引き続き稼働を希望する方
  4. 上記に準ずる方

なお、資格外活動の許可期間は、許可の日から6か月、又は現に有する在留期間の満了日のいずれか一方で、先に到来する日となります。

罰則について

本来資格外活動許可を受けなければならないのにも関わらず、無許可で資格外の活動を行うのは不法就労であり、これについて以下の2つの罰則規定があります。

  1. 資格外活動罪
  2. 不法就労助長罪

資格外活動罪

資格外活動罪は、違法に就労活動を行った場合に、外国人本人に対し資格外活動罪が成立します。

また、資格外活動を「専ら」行っていたと「明らかに」認められる外国人に対しては退去強制(強制退去)のリスクもあります。

不法就労助長罪

不法就労助長罪は、資格外活動罪(不法就労)とされる外国人を雇用した事業主に成立する犯罪です。

また、事業主が当外国人が不法就労をしていると知らなった場合でも、事業主に過失があれば有罪になり得ますので注意が必要です。

資格外活動許可の申請方法

上の画像でもわかる通り、資格外活動許可申請は住居地を管轄する入管局に行い、手数料は特にかかりません。

簡単な書類を作成するだけでOKですので、自力でも割と簡単にできると思います。

入管窓口へは以下の必要書類を揃えて向かいましょう。

資格外活動許可申請の必要書類
  • 資格外活動許可申請書
  • 当該申請に係る活動の内容を明らかにする書類
  • 在留カード(提示)
  • パスポートまたは在留資格証明書(提示)

※申請後、窓口より追加資料の提出を要求される場合があります。

就労ビザについてわからないことは行政書士へ相談しよう

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この記事では就労ビザを持っている外国人のアルバイトについて、詳しく解説してきたけど参考になったかな?

今回解説した就労ビザと資格外活動許可申請に関してもそうですが、外国人の在留(ビザ)に関する法律は複雑でわかりにくいものです。

「副業でアルバイトしたい」「他のビザに変更したい」場合など、日本で暮らす外国人にとってビザの問題はついて回ります。

ビザについて悩んだ時は、ビザ専門の行政書士に相談してみるのもオススメです。

案外すぐに解決できるかもしれません。

ABOUT ME
編集長 TAKAO
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。

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