身元保証人(日本人配偶者)の転職は、配偶者ビザの審査に何かしら影響を与えるのでしょうか。
本記事では、転職を考えている人や転職したばかりの人に向けて、ビザ申請の専門家である筆者が配偶者ビザと転職について解説していきます。
<この記事が参考になる人>
・配偶者ビザを申請する予定があり、最近転職した人
・転職をしたいが、ビザの審査に影響が出ることを懸念している人
・配偶者ビザについて詳しく知りたい人
目次
転職したばかりの配偶者ビザの申請について
「日本人配偶者(身元保証人)が転職をしたことで、配偶者ビザの審査に影響があるか?」
という質問は多くみられます。
この質問に対する答えは、
勤続年数が長い方が有利な傾向があるのは事実だが、転職をしたという事実のみで審査が不利になることは考えにくい。
です。
確かに転職をしたという事実だけでは審査は不利になることは無いでしょう。
しかし、転職をした際は以下の点に注意が必要です。
●現在の収入を証明する書類を追加で提出する
●転職後に大幅に収入が下がっている場合(年収200万円以下)対策を行う
この2点については、以下の章で詳しく解説していきます。
転職後すぐに配偶者ビザを申請する際に追加で提出する書類
通常の配偶者ビザの申請の場合、現在の収入を証明する書類として、住民税の課税証明書を提出します。
住民税の課税証明書は、基本的に前年の1月1日から12月31日までの所得額が記載されています。
従って、最近転職をして収入が変更している場合、直近の収入額と課税証明書の所得額がリンクしないことになってしまいます。
そこで、従来の提出書類に加え、直近の収入額を証明する書類を追加提出する必要があります。
以下、直近の収入額を証明する書類です。
●過去3か月分の給与明細のコピー
●雇用契約書のコピー
どちらか一方ではなく、それぞれ添付できると良いです。
説明書提出のススメ
最近転職をしたことについて、補足で説明書を添付できると尚良いです。
記載内容としては、
・題名(転職についての説明書、追加資料に関する説明書等)
・書類作成日、住所、氏名
・転職をした事実、年月日
・添付の課税証明書と直近の所得額がリンクしていないこと
・転職後の所得額を証明する為に「雇用契約書」、「給与明細表」のコピ―を添付していること
を記載しておきます。
書式は自由なので、上記内容がわかり、見やすければOKです。
転職後に大幅に収入が下がってしまう場合
転職したという事実のみでは審査が不利になることは少ないですが、転職後に収入が大幅に減ってしまった場合は不許可のリスクが上がります。
配偶者ビザの審査のポイント
●婚姻関係の信憑性
●婚姻生活の安定性
●婚姻生活の継続性
配偶者ビザの審査ではこの3点が重視されます。
転職の結果によって収入が大きく減少した場合、「安定性」と「継続性」に問題があるとの評価を受ける恐れがあります。
では、どのくらい収入が減ると問題があるのでしょうか。
実際に配偶者ビザの審査について、最低限必要な収入に明確な基準(ボーダーライン)はありません。
しかし実務的な感覚でいうと、転職をした結果年収200万円以下になってしまった場合、申請の際に対策が必要になってくるでしょう。
配偶者ビザと収入の関係については詳しくは以下の記事で解説しています。
年収が大幅に減った場合の必要な対策としては、
●実家に帰る等して、家賃が掛からない場所へ引っ越す
●両親や親族に身元保証人となってもらう
などが挙げられます。
実家に帰る等、家賃が掛からない場所へ引っ越す
毎月の固定費として、家賃の占めるウエイトは大きいです。
転職の結果として収入が大幅に減った場合、両親に頼んでできれば実家に帰りましょう。
家賃を浮かすことができれば金銭的にも余裕ができるはずで、審査においてはプラス要因として認められます。
両親や親族に身元保証人となってもらう
転職をした結果金銭的に余裕がなくなってしまった場合、両親や親族に身元保証人にとなってもらいましょう。
本来、配偶者ビザ申請をする際の外国人の身元保証人は日本人配偶者がなります。
しかし、このように金銭的に問題がある場合等は、日本人配偶者に加えて、両親や親族が身元保証人になることで、入管へ金銭的な問題はカバーできることをアピールします。
身元保証人の内容や身元保証書の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。
<外国人配偶者の転職>
配偶者ビザを取得することができれば、外国人配偶者は日本での就労制限は無くなります。
したがって、外国人配偶者はもちろん転職することが可能です。
転職で収入減少以外にも懸念材料がある場合は不許可のリスクが高い
転職をしたという事実だけで配偶者ビザの審査が不利になることはあまり考えられません。
しかし、上で解説したように、転職によって収入が大幅に減ったり、審査の上でその他にも懸念材料が存在する場合は不許可のリスクが高まってしまいます。
審査上の懸念材料とは、
・夫婦間に年齢差がある
・夫婦の両方もしくはどちらかに複数の離婚歴がある
・夫婦が同居をしていない
などが挙げられます。
配偶者ビザの申請前に転職をした(転職により収入が減った)ことに加え、上記のような懸念材料があると、掛け合わせで更に悪影響を及ぼす恐れがあります。
上の様なケースに該当する場合は、申請に必須な提出資料のほかにも追加資料を求められることがありますので、それぞれ確認が必要です。
まとめ
本記事では、配偶者ビザの申請と転職の影響についてを主に解説していきましたが、参考になりましたでしょうか。
世間一般では転職をすることはなんら特別な事ではありませんし、転職に対するネガティブなイメージは既に過去の産物になっています。
しかし、配偶者ビザの審査という観点からは、転職による減収はマイナスに働く恐れがあります。
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