国際結婚の手続きは一律に決められているものではなく、相手方の国籍によってその方法や必要書類等は異なってきます。
この記事では台湾人との国際結婚にスポットライトを当てました。
それぞれの国の国際結婚の手続き方法を、初めての方にもわかりやすいよう解説していきます。
・台湾人との国際結婚の手続き方法
・国際結婚後、台湾人パートナーと日本に住むために知っておくべきこと
行政書士 明石隆生
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 行政書士事務所の代表として日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。
目次
台湾人と日本人の国際結婚
2020年のデータによると、日本に中長期で滞在しているの台湾人は59,304人で、在日外国人の国籍別割合でいうと全体の2.1%です(参照:出入国在留管理庁資料)。
台湾は親日家の方が特に多いともいわれており、日本人と台湾人の国際結婚も比較的多いです。
芸能人を見てみても、マルチタレントの渡辺直美さんや俳優の金城武さんなど、日台ハーフの方々が日本で大活躍してますよね。
2020年以降はパンデミックもあり、日本にいる台湾人の数や国際結婚の数は例年より減少しているのですが、地理的にも文化的にも近い台湾人との国際結婚は現在も人気です。
日本と台湾の婚姻に関する法律
当然ながら婚姻に関する法律はそれぞれの国で異なります。
日本と台湾の法律も様々な点で異なりますが、日本と台湾の婚姻適齢(婚姻可能な年齢)は同じです。
台湾のほかにも、ブラジルなどの国が日本と同じ婚姻適齢を定めています。
台湾人との結婚手続きにおいての注意点
通常、国際結婚の手続きをする際はお互いの国の大使館に行くことになります。
しかし、台湾には日本大使館がなく、日本にも台湾大使館はありません。
そのかわり、以下の大使館や領事館の代わりになる施設が設置されています。
●在日本台湾大使館の代わり→台北駐日経済文化代表処
●在台湾日本大使館の代わり→公益財団法人日本台湾交流協会
従って、通常大使館にて行う手続きは上記の機関で行うことになります。
台湾人との国際結婚手続きの流れ
国際結婚はほとんどの方が経験ないと思うので、何から始めればよいか検討もつかないと思います。
以下、国際結婚手続きから日本で夫婦生活することができるようになるまでの全体的な流れです。
①どちらの国で先に結婚手続きをするか決める
②日本(または台湾)で結婚手続きをする
③結婚手続きを済ませていない国へ報告的届出をする
④-1.日本の出入国管理局へ在留資格認定証明書交付申請
or
④-2.在留資格を持って既に日本に在留している場合は在留資格変更申請→「日本人の配偶者等」の在留カード取得
⑤在留資格認定証明書と必要書類を持って日本台湾交流協会へ査証申請
⑥査証を持って日本来日、日本生活スタート
日本で暮らすためには国際結婚手続きと在留資格申請の2つの手続きが必要
勘違いしている人が多いですが、国際結婚手続きが完了したからといって日本で暮らせるわけでありません。
国際結婚手続きが完了した後、出入国在留管理局へ在留資格(配偶者ビザ)の申請を行い、在留資格を得て初めて日本で暮らすことができます。
配偶者ビザについての概要を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
まずはどちらの国で結婚手続きをするか決める
どちらの国で先に結婚手続きを行うかによって、そろえる資料や申請方法も異なってきます。
また場合によっては、後に控える配偶者ビザの申請にも影響することもあります。
従って、それぞれの手順を確認したうえで、どちらの国で先に結婚手続きを進めるのがお互いにとって一番スムーズかを話し合い、結婚手続きをする場所を決めましょう。
以下の章では、それぞれの国で結婚手続きをした場合について詳しくみていきます。
国際結婚手続きでよく出る用語
国際結婚手続きを説明するにあたって、頻出する用語を3つだけ紹介させてください。
国際結婚手続きー日本で先に手続きする場合
台湾人の方がすでに何らかの在留資格を持って日本に在留している場合は、日本で先に手続きをすることをオススメします。
また、台湾人は査証免除措置がとられており、ビザなしで日本に短期訪問することができますので、日本で先に手続きを進めることも比較的簡単だと思います。
さて、日本で先に婚姻手続きをする場合、以下のような流れになります。
①台北駐日経済文化処で婚姻要件具備証明書を取得
②日本の市町村役場へ婚姻届けを提出
③必要書類を持って台北駐日経済文化処へ婚姻の届出(報告的届出)
以下それぞれ詳しく解説します。
①台北駐日経済文化処で婚姻要件具備証明書を取得
まずは東京や大阪、福岡等にある台北駐日経済文化処(弁事処)で、台湾人の婚姻要件具備証明書を発行してもらいます。
以下、婚姻要件具備証明書を申請する際に必要な書類です。
台北駐日経済文化処に提出する書類は都度変更になる場合があります。
申請に行く際は、事前に確認してから行きましょう。
②日本の市町村役場へ婚姻届けを提出
婚姻要件具備証明書を取得したら、日本の役所へ婚姻届けを提出しに行きます。
以下、役所に提出する必要書類になります。
婚姻届けの提出書類も、管轄の役所によって若干異なる可能性がありますので、事前に問い合わせ行うのがベターです。
③台北駐日経済文化処へ婚姻を届出(報告的届出)
台湾人と国際結婚し、日本で先に婚姻手続きをした場合、台北駐日経済文化処(弁事処)へ婚姻の届出(報告的届出)をする必要があります。
以下、報告的届出をする際の必要書類になります。
報告的届出が終われば、ひとまず国際結婚の手続きは完了です!
国際結婚手続きー台湾で先に手続きする場合
台湾人の方が現在台湾に在住している場合、日本人の方が台湾に渡り婚姻の手続きをするケースも多いです。
日本人にとっても台湾は査証なしで旅行できる国ですからね。
台湾で先に婚姻手続きをする場合、以下のような流れになります。
①台湾へ渡航し日本台湾交流協会で婚姻要件具備証明書を取得する
②台湾の外交部領事事務局で、婚姻要件具備証明書に認証を受ける
③台湾の市区町村役場で婚姻届けを提出する
④帰国後、市区町村役場へ報告的届出
以下それぞれ詳しく解説します。
①台湾へ渡航し、日本台湾交流協会で婚姻要件具備証明書を取得する
台湾で先に結婚する場合は、日本台湾交流協会で取得した、日本人の婚姻要件具備証明書が必要になります。
以下、婚姻要件具備証明書の申請必要な書類です。
詳細は日本台湾交流協会のHPでも確認できます。
なお、婚姻要件具備証明書は日本の法務局でも取得することができますので、日本でとる場合は最寄りの法務局へお問い合わせください。
②台湾の外交部領事事務局で、婚姻要件具備証明書に認証を受ける
婚姻要件具備証明書を取得したら、台湾の外交領事事務局というところで、その証明書に認証を受けます。
認証の所要日数は2日です。
詳細は外交領事事務局またに日本台湾交流協会へご確認ください。
③台湾の市区町村役場で婚姻届けを提出する
婚姻要件具備証明書に認証を受けたら、管轄の市区町村役場へ出向き、婚姻届けを提出します。
以下、その際の必要書類です。
役所で婚姻届けを提出したら、日本での手続きの際に利用するので、以下の書類を発行してもらいましょう。
・台湾人の戸籍謄本(婚姻の事実が記載されたもの)
・婚姻証明書
婚姻届けの必要書類について詳しくは管轄の市区町村役場へお問い合わせください。
④日本帰国後、管轄の市区町村役場へ報告的届出
台湾から日本に帰国後に管轄の市区町村役場へ婚姻の届出を行います(報告的届出)。
役所に提出する書類については、管轄の役所によって異なる場合があるので、事前に問い合わせを行うのが良いです。
これで結婚手続きは完了です!
結婚手続き後は在留資格の申請をしよう
結婚手続きを済ませただけでは日本に適法に在留することはできません。
結婚手続き後は、出入国在留管理局(入管)へ在留資格の申請をして、在留資格を取得して初めて日本に適法に在留することができます。
ここでは、台湾人の方が現在台湾にいる場合と、既に何らかの在留資格を持って日本に在留している場合に分けて、申請手続きの概要を解説していきます。
台湾人の配偶者が現在韓国にいる場合
この場合、日本人配偶者の方が台湾人の方の代理で、入管へ在留資格認定証明書交付申請をする必要があります。
申請方法に関しては、当サイトの記事でわかりやすく解説してありますので、自力でやる場合はぜひ参考にしてみてください。
認定申請の必要書類↓
在留資格認定証明書交付申請の書き方↓
質問書の書き方↓
身許保証書の書き方↓
在留資格認定証明書を取得したら日本台湾交流協会へ査証を申請する
在留資格認定証明書を取得したら、それを日本台湾交流協会へ持参して、査証申請を行います。
なお、在留資格認定証明書の有効期限は発行から3か月なので、期限が切れる前に査証申請をしましょう。※コロナの影響で有効期限が異なる場合があるので要確認
そこで査証が下りれば、パスポートと査証を持っていよいよ来日です✈
以下、査証申請の必要書類になります。
査証申請の詳細はこちら日本台湾交流協会のHPを確認してください。
現在はコロナウイルスの関係で査証申請の必要書類や手続き内容が変更になっている可能性があるため、査証申請の前にはへ事前に確認してください。
台湾人の配偶者が既に日本に在留している場合
台湾人の方が、既に中長期の在留資格を持って日本に在留している場合は、婚姻手続き後に入管へ在留資格変更許可申請を行います。
変更申請方法に関しては、当サイトの記事でわかりやすく解説してありますので、自力でやる場合はぜひ参考にしてみてください。
在留資格変更申請完全ガイド↓
在留資格変更許可申請書の書き方↓
変更申請の場合、新しい在留カードを取得すれば手続きは完了です。
まとめ
今回は台湾人の方と国際結婚する場合の情報をまとめてみましたが、参考になりましたか?
国際結婚はいざするとなると、やらなければならない手続きが多く色々面倒くさいです。
もし面倒な手続きを丸投げしたいという方は、国際結婚に詳しい行政書士へ頼んでみてもいいかもしれません。
相談は無料なので、下のリンクからお気軽にどうぞ!