本記事を執筆している現在はコロナ禍真っ只中。
ただでさえビザの許可がいつ下りてくるか待ちわびている方にとっては、昨今の状況で更に不安が多いことと思います。
主人用の日本配偶者ビザ、申請書を提出してから平均審査期間の60日を過ぎたのに、まだ審査結果が送られてこない…怖いな、いつ結果が来るんだろう。祈る気持ちでビザを待ってる。
— Koko (@kkh_0525) April 25, 2019
そこで、今回は配偶者ビザの審査期間について、標準の審査期間から最近の傾向までを、ビザ申請の専門家である筆者が詳しく解説していきます。
<この記事が参考になる人>
・配偶者ビザ申請の検討をしている人
・コロナ禍のビザ申請への影響を懸念している人
・配偶者ビザの審査期間の目途が知りたい人
目次
配偶者ビザの審査期間は
配偶者ビザの審査期間については、出入国在留管理庁が標準処理期間という、大体の審査の目途を設定しています。
在留資格認定証明書交付申請=1か月~3か月
在留資格変更許可申請=2週間~1か月
在留資格更新許可申請=2週間~1か月
この標準処理期間というのは、行政側設定した基準ですが、あくまでも努力目標になりますので、申請する時期やケースごとによって伸びてしまう可能性も十分にあり得ます。
コロナ禍の配偶者ビザの審査期間は?
令和3年10月現在、いまだにコロナが猛威を振るっている状況です。
そんなコロナ禍の現在、配偶者ビザの審査期間に影響はあるのでしょうか。
以下は入管より公表されている、直近の処理期間の平均日数になります。
<審査平均日数 2021年4月~6月許可分>
在留資格 | 認定申請 | 更新申請 | 変更申請 |
日本人の配偶者等 | 50.6(日) | 26.2(日) | 29.7(日) |
上記の日数を見ると、コロナ禍の現在でも平均して標準処理期間内に審査は完了していることが分かります。
それでは参考までに、コロナになる前の2019年とコロナ禍の2020年を比較してみましょう。
<コロナ前(2019年)の平均審査日数>
期間(2019年) | 認定申請 | 更新申請 | 変更申請 |
1-3月 | 66.3(日) | 26.2(日) | 28.5(日) |
4-6月 | 68.8(日) | 30.0(日) | 30.6(日) |
7-9月 | 67.1(日) | 34.0(日) | 31.6(日) |
10-12月 | 73.3(日) | 36.3(日) | 33.0(日) |
<コロナ後(2020年)の平均審査日数>
期間(2020年) | 認定申請 | 更新申請 | 変更申請 |
1-3月 | 74.1(日) | 33.9(日) | 30.7(日) |
4-6月 | 65.7(日) | 29.9(日) | 29.9(日) |
7-9月 | 102.0(日) | 31.4(日) | 32.0(日) |
10-12月 | 51.5(日) | 31.1(日) | 32.1(日) |
このように比べてみると、確かにコロナが世を席捲した後の2020年の方が平均して審査日数は伸びている傾向がありますが、2020年の10-12月期をみると、前年よりどの申請も審査日数は短くなっています。
更にそのうえで、直近の2021年4-6月期の数字をもう一度見てみると、コロナ前、コロナ後のどの期間よりも平均審査日数は短くなっています。
従って、この平均審査日数を見る限りでは、令和3年現在、コロナによる審査期間の長期化という現象は起こっていない、むしろ若干早くなっているというのが現状です。
なお、このビザの平均審査期間の状況については、出入国在留管理庁が四半期ごとに発表しています。
直近の状況を確認したいという方は、以下のサイトから確認してみてください。
審査期間を出来るだけ短くする方法はあるのか
ここまで配偶者ビザの審査期間を見てきましたが、その審査期間を短くする方法はあるのでしょうか。
結論、審査期間を短くする裏技的なものはありません。
しかし、以下の事項を気を付けることにより、申請から許可までの期間を結果的に短くすることは可能かと思います。
①申請に必要な書類を揃えるまでの期間を短くするように努める
②必要書類を完ぺきにそろえて提出する
③申請理由書や通信履歴等、現状をより合理的に、より詳しく説明するために、必須書類のほか任意資料を積極的に提出する
④万が一、追加の資料提出通知書が来た場合でも、素早く提出要請に応える
1.必要書類を揃えるまでの期間を短くするように努める
配偶者ビザの申請を自分で行う場合、申請の必要書類は自ら集める必要があります。
各役所や在籍している会社、外国人配偶者の母国大使館等、各関係先から必要書類を一つずつ集める必要があり、これがまた大変なのです。
この作業を出来るだけ短期間で終わらせ、申請までこぎつけることができれば、結果的に早く許可が下りることになるでしょう。
配偶者ビザの必要書類に関しては以下の記事で詳しく解説しておりますので、良ければ参考にしてみてください。
2.必要書類を完ぺきに揃える
必要書類を添付を忘れていた場合や、審査窓口が許可を判断するにあたり別途書類が必要と判断した場合、追加資料提出通知書が入管から届きます。
この場合、追加で必要とされる書類を新たに作成、または収集する必要が出てくるので、その時間は完全にロスとなってしまいます。
出来るだけ審査を短くし、早く許可証を取得する為には、申請の際に提出する書類を入念に確認して万全の状態で申請するのが望ましいです。
配偶者ビザの申請書や質問書、身元保証書の書き方に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、よければ覗いてみてください。
3.必要書類の他、任意資料を積極的に提出する
出入国在留管理庁のホームページでは、配偶者ビザの必要書類を掲載しています。
しかし、それらは申請に必要最低限の書類なのであり、実際に許可の可否を決するのは、その他に提出する任意書類という事が多いです。
任意書類とは、夫婦の交際の経緯を詳細に説明した申請理由書や、LINE等の通信履歴など、個々の状況に応じて異なります。
この任意書類を積極的に提出し、現状をより詳しく担当官に書面で説明する事ができれば、(任意書類提出無しの場合よりは)比較的スムーズに審査が進むはずです。
申請理由書の書き方は以下の記事で解説しています。
4.追加書類提出を求められた場合、素早く対応する
万が一、提出書類に不備やなにかしらの疑義がある場合、追加書類提出通知書が届きます。
その際、面倒だからとその通知を放置したり後回しにすると、どんどん許可が遅れるばかりか、場合によっては不許可になってしまいかねません。
入管から提出書類を求められた際は、出来るだけ早く対応するようにしましょう。
早く許可が欲しければ行政書士に依頼するのがオススメ
結論、許可をゲットする最短ルートは、行政書士等の専門家に申請を依頼することです。
申請をしてから許可が出るまでの審査期間は、審査の担当者以外にだれもコントロールすることはできません。
しかし上でも解説したとおり、配偶者ビザ申請のいろはを把握できていれば、出来るだけ早く申請書類を作成し、許可証の交付までこぎつけることが可能です。
そして、配偶者ビザの申請について詳しいのは、行政書士等の専門家です。
出来るだけ早く許可が欲しいという方は、是非ともビザ申請専門の行政書士へ依頼を検討することをオススメします。
また、行政書士に依頼する前の判断材料として、以下の記事もご覧ください。
まとめ
本記事では、配偶者ビザの審査期間について解説してきましたが参考になりましたでしょうか。
審査期間については、こちらでコントロールできることは少ないです。
しかし、必要書類をしっかり揃えて提出するなど、万全な体制で申請を行えば、不必要に審査が長引くという事は考えにくいでしょう。
配偶者ビザの必要書類や、申請書の書き方は当サイトの記事を参考にしてみてください。