日本人との結婚にあたり、他の在留資格から配偶者ビザへ変更する際に行うのが在留資格変更許可申請です。
そしてその申請の際に避けて通れないのが、在留資格変更許可申請書の作成です。
本記事では、ビザ申請専門の行政書士である筆者が、初めての方にもわかりやすいように、図を交えて申請書の書き方を伝授していきます。
<この記事が参考になる人>
・外国人と結婚する予定のある人
・申請書を書きたいが、書き方がイマイチわからない人
・配偶者ビザについて知識をつけたい人
・他のサイトを見てみたが、難しくて読みずらいと思った人
目次
- 1 配偶者ビザの在留資格変更許可申請書とは
- 2 在留資格変更許可申請書を作成する準備をしよう
- 3 在留資格変更許可申請書の書き方(1枚目)
- 3.1 0.証明写真を撮影して、貼る
- 3.2 1.国籍・地域 Nationality/Region
- 3.3 2.生年月日 Date of birth
- 3.4 3.氏名 Name
- 3.5 4.性別 Sex
- 3.6 5.出生地 Place of birth
- 3.7 6.配偶者の有無 Marital Status
- 3.8 7.職業 occupation
- 3.9 8.本国における居住地 Home town/city
- 3.10 9.住居地・電話番号 Address in Japan/Phone No.
- 3.11 10.旅券番号・有効期限 Passport Number/Date of expiration
- 3.12 11.現に有する在留資格・在留期間・期間満了日 Status of Residence/Period of stay/Date of expiration
- 3.13 12.在留カード番号
- 3.14 13.希望する在留資格・在留期間 Desired status of residence/Period of stay
- 3.15 14.変更の理由 Reason for change of status of residence
- 3.16 15.犯罪を理由とする処分を受けたことの有無 Criminal record in Japan/oversea
- 3.17 16.在日親族及び同居者 Family in Japan and cohabitants
- 4 在留資格変更許可申請書の書き方(2枚目)
- 5 在留資格変更許可申請書の書き方(3枚目)
- 6 お疲れさまでした!
配偶者ビザの在留資格変更許可申請書とは
在留資格変更許可申請書とは、配偶者ビザの在留資格変更許可申請に伴い必要となる申請書です。
そして在留資格変更許可申請とは、既に在留資格を持って日本に在留している外国人が、他の在留資格へ変更するために行う申請です。
・留学ビザ→配偶者ビザ
・就労ビザ→配偶者ビザ
などが良くあるケースです。
しかし、場合によっては変更申請がそもそも認められないケースや、審査が難航するケースもあります。
変更申請書の作成を始める前に、今一度自分は本当に変更申請をすることができるのか確認することも大切です。
変更申請の概要や注意点については以下の記事を参考にしてみてください。
在留資格変更許可申請書を作成する準備をしよう
配偶者ビザの変更許可申請書は全部で3枚あり、記入しなければならない項目が大きく23項目あります。
変更申請書は、パスポート等の公的書類を参考にしながら正しく作成しましょう。
申請書にいきなり記入をしようと思っても必ず途中で挫折してしまいますので、作成前には一定の書類を集めたうえで作成に取り掛かります。
<外国人配偶者の必要書類・情報>
・証明写真(縦4cm×横3㎝)
・パスポート
・在留カード
・結婚証明書
・在職証明書(日本で就労している場合)
・日本にいる親族の在留カード番号+勤務先、通学先情報(親族が日本にいる場合)
<日本人側の必要書類・情報>
・戸籍謄本
・住民票
・在職証明書
・住民税課税証明書
これら書類のほとんどは、最終的に申請書に添付して出入国在留管理局に提出する必要がある書類です。
従って、申請書の作成をスムーズに進めていくためにも、上の必要書類は早い段階で役所や勤務先でゲットしておきましょう。
なお、在留資格変更許可書は以下のリンクからダウンロードできます。
在留資格変更許可申請書の書き方(1枚目)
在留資格変更許可申請書1枚目の記載例です。
1項目ずつ書き方の詳細を解説していきます。
0.証明写真を撮影して、貼る
申請書作成に当たってまず必要になってくるのが、証明写真です。
証明写真はスピード写真で撮ったものや、アプリで撮ったものをプリントしても構いません。
なお、証明写真は申請書を作成する前に撮っておくべきですが、貼り付けるタイミングは申請書を書き終えてからが良いでしょう。
証明写真を撮って貼り付けるにあたり、以下の点に注意してください。
<証明写真の注意点>
・縦4㎝、横3㎝の写真を使用
・写真の裏に氏名を記入
・帽子などは着用せず、無背景なもの
・原則申請前3か月以内に撮影されたもの
1.国籍・地域 Nationality/Region
申請者の国籍を記入しましょう。
地域とは、日本の立場から国とは認められていない台湾やマカオが該当します。
なお、国名は「アメリカ合衆国」や「ベトナム社会主義共和国」のような正式名称は記入する必要はなく、「アメリカ」「ベトナム」でOKです。
例:アメリカ、中国、韓国、ドイツ
2.生年月日 Date of birth
生年月日は西暦で記入しましょう。
昭和、平和、令和のような和号は使いません。
例:2000年2月1日
3.氏名 Name
氏名はパスポートをそのままの順番で上(SURNAME)から転記しましょう。
中国人や韓国人のように漢字の名前がある場合は、ローマ字の氏名の横に漢字の氏名を併記するようにしましょう。
例:SMITH JOHN、王 柳 (Wang Liu)
4.性別 Sex
該当する項目に〇をつけましょう。
5.出生地 Place of birth
生まれた場所を記入します。
パスポートに「Plece of birth」という項目がある場合はそのまま転記します。
無い場合、出生証明書等から正しい情報を取得して記入しましょう。
例:アメリカ コロラド州、中国 上海市
6.配偶者の有無 Marital Status
ここは必ず「有」に〇をつけます。
何故なら、在留資格変更許可申請を行うまでには、両国で法的に婚姻手続きを済ませている必要があるからです。
7.職業 occupation
職業を記入します。
ここは、現在有している在留資格とリンクするはずです。
現在働いていない場合は、「該当なし」と記入しましょう。
会社員(○○業)、自営業、学生
8.本国における居住地 Home town/city
外国人配偶者が‘‘来日する直前に住んでいた居住地‘‘の住所を記入しましょう。
国名+都市名のみでOKです。
母国以外の国で生活していた場合、その国の住所(国名+都市名)を記入しておけば良いです。
例:アメリカ カリフォルニア州、ベトナム ランドン省
9.住居地・電話番号 Address in Japan/Phone No.
この欄には住所と電話番号、携帯電話番号を記入します。
家電がない人は、電話番号の欄には「該当なし」と記入しましょう。
また、携帯電話を持っていない人はほとんどいないと思いますが、万が一携帯電話が利用できない場合状態にある場合、携帯電話番号の欄には日本人配偶者の連絡先を記入しましょう。
その際、「080-****-****(妻)」など、(申請者にとって)誰の携帯電話番号かわかるように記入しておきましょう。
10.旅券番号・有効期限 Passport Number/Date of expiration
旅券番号と有効期限はパスポートから転記しましょう。
旅券番号は、通常パスポートの顔写真ページの右上(上図参照)にあります。
有効期限は「Dare of expiry/expiration」の欄に記載されています。
11.現に有する在留資格・在留期間・期間満了日 Status of Residence/Period of stay/Date of expiration
現在持っている在留資格の種類と、在留期間・期間満了日を記入します。
上図のように在留カードを確認すると、在留資格の種類と在留期間、満了日を確認できます。
例:留学、技術・人文知識・国際業務 1年、3年、5年
12.在留カード番号
在留カード番号も、下図のように在留カードの右上に記載がありますので、そこから転載しましょう。
短期滞在→配偶者ビザへ変更の場合
短期滞在から配偶者ビザへ変更申請をする場合、申請者は在留カードを持っていないはずですので、その場合「該当なし」でOKです。
13.希望する在留資格・在留期間 Desired status of residence/Period of stay
今回は日本人との結婚に伴った在留資格の変更になるはずですので、希望する在留資格には「日本人の配偶者等」と記載します。
在留期間は希望する年数を記入する事ができますので、最長の在留期間「5年」と記入しておきましょう。
ただし、実際はいきなり5年や3年が期限の配偶者ビザが交付されることは稀で、多くの場合1年が期限のビザが交付されます。
配偶者ビザの在留期間に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
14.変更の理由 Reason for change of status of residence
変更の理由は、上の例のように「今後も○○との結婚生活を継続していくため」と記載しておけば問題はありません。
変更の理由については、質問書・申請理由書等で詳細に説明していきますので、ここでは短くて問題ありません。
質問書、申請理由書については以下の記事で詳しく解説しています。
15.犯罪を理由とする処分を受けたことの有無 Criminal record in Japan/oversea
犯罪をしてしまったことによる処分を受けたことが無ければ「無」に〇をつけます。
ここでは処分を受けたことの有無が聞かれていますので、例えば過去に万引きをして見つかってしまったけれど、罰金等の刑罰を受けたことが無ければ「無」に該当します。
これは日本での処分に限らず、母国や第三国も含みます。
16.在日親族及び同居者 Family in Japan and cohabitants
外国人配偶者の親族が日本にいる場合や同居者がいる場合は「有」に〇をつけます。
「有」の場合、上図のように氏名や生年月日、勤務先名称等を記入していきます。
なお、基本的に日本人配偶者とは同居しているはずですので、ほとんどのケースでここは「有」になります。
同居をしていない場合は、その理由を詳細に説明する必要もあり、より厳しく審査されるので注意が必要です。
在留資格変更許可申請書の書き方(2枚目)
続いて在留資格変更許可申請書2枚目の書き方を項目を追って解説していきます。
17.身分又は地位 personal relationship or status
ここは「日本人の配偶者」の箇所を塗りつぶします。
18.婚姻届出先及び届出年月日 The place and data of the notification of marriage
(1)の日本国届出先には、婚姻届を提出した市区町村役場を記入します。
届出年月日を忘れてしまった場合は戸籍謄本に記載がありますので確認して記入しましょう。
例:東京都港区役所、神奈川県川崎市役所
(2)の本国等届出先には、外国人配偶者の本国への届け出先とその年月日を記入します。
変更申請の場合は日本で先に結婚し、在日本国大使館(領事館)に届出をしていることも多いと思います。
なお、申請者がアメリカ国籍の場合等は、日本で先に婚姻手続きをしたときは本国大使館へ届け出義務は無いとされていますので、その場合「該当なし」と記入しましょう。
例:在日韓国大使館、駐日フィリピン大使館
19.申請人の勤務先等 Place of employment or organization to which the applicant is to belong
外国人配偶者が日本で仕事をしている場合は、勤務先名や住所等の情報を入力していきましょう。
住所、電話番号については実際に所属している支店・営業所のものを記入します。
年収については、課税証明書や納税証明書に記載があるので、そこから転載しましょう。
証明書は市区町村役場で取得可能です。
現在は就職をしていない場合、「該当なし」と記入すればよいです。
20.滞在費支弁方法 Method of support of pay for expenses while in Japan
滞在費支弁方法とは、日本での生活費は誰がどのくらい出すのかという質問です。
(1)支弁方法及び月平均支弁額
外国人配偶者が仕事をしている場合は、「本人負担」の箇所を塗りつぶし、1か月の生活費を記入します。外国人配偶者が無職の場合は「該当なし」です。
また、それに合わせて、通常は日本人配偶者が身元保証人になります。
身元保証人の欄も上図のように塗りつぶし、日本人配偶者が生活費として負担する額を記載しましょう。
身元保証人については以下の記事を参考にしてください。
(2)送金・携行等の別
海外から金銭を持ち込む場合や、海外から送金する場合はその金額を記載します。
特にない場合は「該当なし」でOKです。
(3)経費支弁者(後記21と異なる場合に記入)
夫婦で生活費を支弁する場合は「該当なし」でOKです。
日本人配偶者以外の人にも身元保証人になってもらう場合や、扶養者が夫婦以外の場合はこの欄に夫婦以外の経費支弁者を記入します。
経費支弁者が夫婦以外の場合、以下のような記載となります。
在留資格変更許可申請書の書き方(3枚目)
やっと最後の3枚目に入りました。もう少しなので頑張りましょう!
21.扶養者 Supporter
外国人配偶者が結婚後に日本人の配偶者の扶養を受ける場合は、扶養者として日本人の配偶者の情報を記入していきます。
なお、外国人配偶者が仕事に就いていて十分な収入があり、扶養を受ける予定が無い場合は「該当なし」と記入すればOKです。
(1)~(3)
氏名、生年月日、国籍を記入します。
(4)~(7)
今回は「日本人の配偶者等」の申請となりますので、扶養者である日本人配偶者が在留カードを持っているという事はありません。「該当なし」でOKです。
(8)~(11)
(8)は扶養者と申請人の間柄について該当する箇所を塗りつぶします。記載例だと扶養者は申請者の妻となります。
(9)~(11)については上図のように勤務先情報を記入します。
年収は前年度の課税証明書や納税証明書で確認できますので、それらの書類から転載しましょう。
22.在日身元保証人又は連絡先 Guarantor or contact in Japan
在日身元保証人ですが、通常日本人配偶者が身元保証人となりますので、日本人配偶者の情報を記入します。
23.代理人 Legal representative
この欄は、申請者に代わって法定代理人が変更申請を行う場合に代理人の情報を記入します。
変更申請の場合、通常夫婦は日本にいることが想定され、申請人自らで入管の窓口へ申請を行うことになります。
変更申請を法定代理人に頼むことは考えにくいので、「該当なし」と記入しておけば良いです。
署名・取次者
最後は外国人配偶者の自筆で署名し、申請書の作成日の日付を記入しましょう。
「※取次者」は、変更許可申請を行政書士等の業者に依頼した場合、業者側が記入する欄になります。
ご自身で申請する場合は「該当なし」でOKです。
お疲れさまでした!
長いことお疲れさまでした!
これで変更申請書の作成は終わりました。
しかし、残念ながら変更申請には申請書以外にもそろえる書類が山ほどあるのです・・・。
「これ自分でやるの大変じゃない・・・?」
と思ったら、是非とも一度ビザ申請専門の行政書士への無料相談をご利用ください。
出来るだけ早く、手軽に、確実に許可証をゲットする方法をご提案させていただきます。