本記事では、就労ビザのなかでも代表的なものである「技術・人文知識・国際業務」の在留資格更新許可申請の書き方を、ビザに詳しい行政書士が解説していきます。
- 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格更新許可申請の書き方
- 申請書を作成する上で用意しておいた方が良い書類
目次
- 1 「技術・人文知識・国際業務」の更新申請書を作成する前の確認事項
- 2 在留資格更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)の書き方:1枚目
- 2.1 0.証明写真を入手して貼る
- 2.2 1.国籍・地域 Nationality/Region
- 2.3 2.生年月日 Date of birth
- 2.4 3.氏名 Name
- 2.5 4.性別 Sex
- 2.6 5.配偶者の有無 Marital Status
- 2.7 6.職業 occupation
- 2.8 7.本国における居住地 Home town/city
- 2.9 8.住居地 Address in Japan
- 2.10 9.電話番号/携帯電話番号 Phone No.
- 2.11 10.旅券番号・有効期限 Passport Number/Date of expiration
- 2.12 11.現に有する在留資格・在留期間・期間満了日 Status of Residence/Period of stay/Date of expiration
- 2.13 12.在留カード番号
- 2.14 13.希望する在留期間 Desired length of extension
- 2.15 14.更新の理由 Reason for extension
- 2.16 15.犯罪を理由とする処分を受けたことの有無 Criminal record in Japan/oversea
- 2.17 16.在日親族及び同居者 Family in Japan and cohabitants
- 3 在留資格更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)の書き方:2枚目
- 4 在留資格更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)の書き方:3枚目
- 5 在留資格更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)の書き方:4枚目
- 6 まとめ
「技術・人文知識・国際業務」の更新申請書を作成する前の確認事項
在留資格更新許可申請書の作成にとりかかる前に、まずは以下のポイントについて確認しておきます。
- 在留資格更新許可申請をするタイミング
- 申請書作成前に集めておきたい書類
在留資格更新許可申請をするタイミング
在留期間が6月以上あるビザを持っている外国人に関しては、在留期間満了日の概ね3か月前から更新申請を受理してもらえます。
長期出張など特別な理由がある場合は、3か月より前から更新申請が受け付けられる可能性があります。
また、更新申請をする場合は、【特例期間】についても知っておいた方が良いでしょう。
技術・人文知識・国際業務などの就労ビザの更新申請については、以下の記事で詳しくまとめています。
更新許可申請書作成前に集めておきたい書類
申請書には申請者である外国人の情報と、受け入れる側の企業の情報が必要となります。
申請書作成に必要な情報について、関係する書類をあらかじめ集めておくとスムーズに作成が可能です。
以下、申請書作成前にそろておいた方が良い書類です。
【申請者に関する書類】
- 証明写真(4cm×3cm)
- パスポート
- 在留カード
- 卒業証明書(卒業証書)
- 日本にいる親族の情報(親族がいる場合)
【企業に関する書類】
- 雇用契約書
- 直近の決算報告書
- 登記事項証明書
上記書類は、実際に申請をする際に窓口へ提出する書類でもありますので、遅かれ早かれ必要なものです。
したがって、まずは最低限の必要書類の収集から始めることをオススメします。
在留資格更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)の書き方:1枚目
↑は申請書1枚目の記載例です。
申請書の1、2枚目は「申請人等作成用」という位置づけです。
それでは早速申各項目ずつ解説していきます。
0.証明写真を入手して貼る
申請書作成に当たってまず必要になってくるのが、証明写真です。
証明写真はスピード写真で撮ったものや、アプリで撮ったものをプリントしてもOK。
証明写真は申請書を作成する前に撮っておくべきですが、貼り付けるタイミングは申請書を書き終えてからがベストです。
申請書に貼る証明写真については、以下のように決まりがあります。
【証明写真の決まり】
- 縦4㎝、横3㎝の写真を使用
- 写真の裏に氏名を記入
- 帽子などは着用せず、無背景なもの
- 原則申請前3か月以内に撮影されたもの
1.国籍・地域 Nationality/Region
申請者の国籍を記入します。
地域とは、日本の立場から国とは認められていない台湾や香港が該当します。
なお、国名は「アメリカ合衆国」や「ベトナム社会主義共和国」のような正式名称は記入する必要はなく、「アメリカ」「ベトナム」でOKです。
例:アメリカ、中国、韓国、ドイツ
2.生年月日 Date of birth
生年月日は西暦で記入しましょう。
令和のような和号は使いません。
例:2000年2月1日
3.氏名 Name
氏名はパスポートをそのままの順番で上(SURNAME)から転記しましょう。
中国人や韓国人のように漢字の名前がある場合は、ローマ字の氏名の横に漢字の氏名を併記するようにしましょう。
例:SMITH JOHN、王 柳 (Wang Liu)
4.性別 Sex
該当する項目に〇をつけましょう。
5.配偶者の有無 Marital Status
該当する項目に〇をつけます。
6.職業 occupation
職業を記入します。
会社員の場合はそのまま「会社員」でOKです。
会社員(○○業)、自営業、学生
7.本国における居住地 Home town/city
申請者が‘‘来日する直前に住んでいた居住地‘‘の住所を記入しましょう。
国名+都市名のみでOKです。
母国以外の第三国で生活していた場合、その国の住所(国名+都市名)を記入しておけば良いです。
例:アメリカ カリフォルニア州、ベトナム ランドン省
8.住居地 Address in Japan
申請者の住所を記入します。
住んでいるマンション・アパート名と部屋番号まで記入したほうが良いです。
9.電話番号/携帯電話番号 Phone No.
この欄には電話番号、携帯電話番号を記入します。
家電がない人は、電話番号の欄には「該当なし」と記入しましょう。
10.旅券番号・有効期限 Passport Number/Date of expiration
旅券番号と有効期限はパスポートから転記しましょう。
旅券番号は、通常パスポートの顔写真ページの右上(上図参照)にあります。
有効期限は「Dare of expiry/expiration」の欄に記載されています。
11.現に有する在留資格・在留期間・期間満了日 Status of Residence/Period of stay/Date of expiration
現在持っている在留資格の種類と、在留期間を記入します。
在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」になるはずです。
上図のように在留カードを確認すると、在留資格の種類と在留期間、期間満了日を確認できます。
12.在留カード番号
在留カード番号も、下図のようにカードの右上に記載がありますので、そこから転載しましょう。
13.希望する在留期間 Desired length of extension
在留期間は希望する年数を記入する事ができますので、ここは最長の在留期間「5年」と記入しておきましょう。
ただし、申請書にもカッコ書きであるように、希望した在留期間がもらえることはなかなかありません。
14.更新の理由 Reason for extension
更新の理由は、上の例のように「引続き日本で就労活動の継続を希望するため」と記載しておけば問題はありません。
15.犯罪を理由とする処分を受けたことの有無 Criminal record in Japan/oversea
犯罪による処分を受けたことが無ければ「無」に〇をつけます。
ここでは処分を受けたことの有無が聞かれていますので、例えば過去に万引きをして見つかってしまったけれど、警察に引き渡されずに終わった場合などは「無」に該当します。
これは日本での処分に限らず、母国や第三国も含みます。
また、前回の申請時に「有」で申請している場合は、今回も「有」としてチェックをし、齟齬が無いようにします。
16.在日親族及び同居者 Family in Japan and cohabitants
申請者の親族が日本に住んでいる場合は記入します。
なお、ここでいう在日親族には以下の人達が含まれます。
<在日親族>
父、母、配偶者、兄弟姉妹、祖父母、叔父(伯父)、叔母(伯母)など
在留資格更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)の書き方:2枚目
申請書2枚目に入ります。
以下、各項目の詳細を解説します。
17.勤務先 place of employment
勤務先については、
- 名称/支店・事業所名
- 所在地
- 電話番号
を記入します。
(2)所在地、(3)電話番号については、実際に申請者が働く勤務先のものを記入します。
申請者が支店で働く場合、本店の住所や電話番号を記載せず、支店のそれを記入します。
18.最終学歴 Education
(1)日本で大学等を卒業している場合は「本邦」、その他は「外国」にチェックです。
(2)最終学歴にチェックします。
(3)学校名と卒業年月日を記入します。卒業した日付が不明であれば、卒業した「月」だけでOKです。
19.専攻・専門分野 Major field of study
申請者が専攻した学科をチェックします。
20.情報処理技術者資格又は試験合格の有無
該当する箇所に〇をつけます。
この資格をもっていると、就労ビザの学歴要件等を問われることがなくなり、申請者のアドバンテージとなります。
21.職歴 work experience
職歴については外国でのものも含み、入社日と退社日を記入します。
現在日本で働いている会社についても記入します。
申請書の欄では足りない場合、「別紙のとおり」として、別途簡単な履歴書を作成して添付すると良いでしょう。
22.代理人 Legal representative
この欄は、申請者に代わって法定代理人が更新申請を行う場合に代理人の情報を記入します。
ご自分で更新申請をする場合、「該当なし」でOKです。
署名・取次者
署名欄は申請者の自筆で署名し、申請書作成日の日付を記入しましょう。
「※取次者」は、更新申請を行政書士等の業者に依頼した場合、業者側が記入する欄になります。
ご自身で申請する場合は「該当なし」でOKです。
在留資格更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)の書き方:3枚目
3枚目に突入しました。
3枚目からは「所属機関等作成用」となります。
1.契約又は招へいする外国人の氏名
ここには申請人の氏名を今一度記入します。
2.契約の形態
該当する箇所にチェックを付けます。
3.所属機関等契約先
(1)名称
会社の名称を記入します。
(2)法人番号(13桁)
法人番号は、会社の登記事項証明書に記載があります。
手元に登記事項証明書がない場合は、国税庁のサイトから法人番号を検索することができます。
(3)支店・事業所名
申請者の勤務先が本店の場合は「本店」、その他は支店・事業所名を記入します。
(4)雇用保険適用事業所番号(11桁)
雇用保険適用事業所番号とは、雇用保険に加入している企業に対して割り振られる番号のことを言います。
企業は、雇用保険の対象となる最初の従業員を雇用した際、ハローワークに「雇用保険適用事業所設置届」を提出しているはずです。
その際にハローワークから交付される、設置届事業主控などで事業所番号を確認することができます。
(5)業種
申請書の別紙である「業種一覧」から、企業がメインで行っている業種を選び記入します。
2段目は、業種が複数ある際に該当の数字をいれます。
(6)所在地
申請者が勤務する予定の会社所在地を記入します。
例えば支店に勤務予定の場合、支店所在地の住所を記入します。
(7)資本金
資本金は登記事項証明書から転載しましょう。
(8)年間売上高
前年度の決算報告書より確認します。
(9)従業員数
現在の従業員数と、そのうちの外国人職員数を記入します。
技能実習生もいる場合はその人数も記入しましょう。
4.就労予定期間 Period of work
就労予定期間が決まっている場合は詳細を記入します。
特に定めがない場合は上のように印をつけてください。
5.雇用開始(入社)年月日
現在の会社で引続き就労をする場合、その会社に入社した年月日を記入します。
雇用開始年月日が未定の場合は、右欄の□枠のいずれかにチェックをいれましょう。
6.給与・報酬 Salary/Reward
月額か年額のチェックを入れ、税引き前の給与額を記入しましょう。
通勤手当や住宅手当などの各種手当は通常給与には含めません。
7.実務経験年数 Business experience
今回申請する在留資格にかかる業務の実務経験がある場合は、その年数を記入します。
現在働いている会社(職種)で更新をする場合、その会社で働いた期間も当然実務経験年数に含まれます。
8.職務上の地位 (役職名) Position(title)
係長や課長、マネージャー等の役職名がある場合は記入します。
9.職種 Occupation
申請書の別紙である「職種一覧」から、申請者が従事する主たる職種を選び記入します。
業種が複数ある場合は2段目に該当の数字をいれます。
10.活動内容詳細 Details of Activities
申請者が従事する職務内容について記載します。
ここはできるだけ詳細に記載し、申請者がその業務に従事する正当性を立証することができればベターです。
したがって、できれば別紙を作成して活動内容について詳細に説明していくことをオススメします。
在留資格更新許可申請書(技術・人文知識・国際業務)の書き方:4枚目
いよいよラストの4枚目に突入しました。
11.派遣先等 Dispatch site
人材派遣の場合等、派遣先の企業名やその他情報を(1)~(9)まで記入します。
該当しない場合は空欄、もしくは記載例のように「該当なし」でOKです。
会社名称・代表者氏名の記入
最後は外国人を雇用する企業の名称と代表者の氏名を記入し、申請書を作成した日付を記入して完成です!
まとめ
お疲れさまでした!
これで申請書は完成です。
「多くの書類収集をして申請書作成もするのは大変だな・・・」
という方は、ビザの専門家である行政書士に相談してみるのも一つです。
相談料はもちろん無料ですので、お気軽にお問い合わせください。