国際結婚の手続きは一律に決められているものではなく、相手方の国籍によってその方法や必要書類等は異なってきます。
この記事ではブラジル人との国際結婚にスポットライトを当てました。
それぞれの国の国際結婚の手続き方法を、初めての方にもわかりやすいよう解説していきます。
・ブラジル人との国際結婚の手続き方法
・国際結婚後、ブラジル人パートナーと日本に住むために知っておくべきこと
行政書士 明石隆生
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 行政書士事務所の代表として日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。
目次
ブラジル人と日本人の国際結婚
近年のグローバル化も相まって、日本人と外国人の国際結婚は年々増えています。
その中でもブラジル人と日本人のカップルは、国際結婚組み合わせの中でも男女ともに上位を占めます。
<日本人男性と結婚した外国人女性(2020年度)>
順位 | 国籍 | 人数 |
1位 | 中国 | 542人 |
2位 | フィリピン | 508人 |
3位 | ブラジル | 483人 |
4位 | アメリカ | 382人 |
5位 | 韓国 | 372人 |
<日本人女性と結婚した外国人男性(2020年度)>
順位 | 国籍 | 人数 |
1位 | アメリカ | 562人 |
2位 | ブラジル | 511人 |
3位 | 中国 | 494人 |
4位 | 韓国 | 364人 |
5位 | フィリピン | 238人 |
このデータは2020年度のデータなので、パンデミックもあり国際結婚した夫婦の数は例年より減少した年ではありますが、ブラジル人との国際結婚数は男女ともに多いです。
日本とブラジルの婚姻に関する法律
当然ながら婚姻に関する法律はそれぞれの国で異なります。
日本と台湾の法律も様々な点で異なりますが、日本とブラジルの婚姻適齢(婚姻可能な年齢)は同じです。
ブラジルのほかにも、台湾などの国が日本と同じ婚姻適齢を定めています。
ブラジル人との国際結婚手続きの流れ
国際結婚はほとんどの方が経験ないと思うので、何から始めればよいか検討もつかないと思います。
以下、国際結婚手続きから日本で夫婦生活することができるようになるまでの全体的な流れです。
①どちらの国で先に結婚手続きをするか決める
②日本(またはブラジル)で結婚手続きをする
③結婚手続きを済ませていない国へ報告的届出をする
④-1.日本の出入国管理局へ在留資格認定証明書交付申請
or
④-2.在留資格を持って既に日本に在留している場合は在留資格変更申請→「日本人の配偶者等」の在留カード取得
⑤在留資格認定証明書と必要書類を持って在ブラジル日本大使館へ査証申請
⑥査証を持って来日、日本生活スタート
日本で暮らすためには国際結婚手続きと在留資格申請の2つの手続きが必要
勘違いしている人が多いですが、国際結婚手続きが完了したからといって日本で暮らせるわけでありません。
国際結婚手続きが完了した後、出入国在留管理局へ在留資格(配偶者ビザ)の申請を行い、在留資格を得て初めて日本で暮らすことができます。
配偶者ビザについての概要を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
まずはどちらの国で結婚手続きをするか決める
どちらの国で先に結婚手続きを行うかによって、そろえる資料や申請方法も異なってきます。
また場合によっては、後に控える配偶者ビザの申請にも影響することもあります。
従って、それぞれの手順を確認したうえで、どちらの国で先に結婚手続きを進めるのがお互いにとって一番スムーズかを話し合い、結婚手続きをする場所を決めましょう。
以下の章では、それぞれの国で結婚手続きをした場合について詳しくみていきます。
国際結婚手続きでよく出る用語
国際結婚手続きを説明するにあたって、頻出する用語を3つだけ紹介させてください。
国際結婚手続きー日本で先に手続きする場合
ブラジル人の方がすでに何らかの在留資格を持って日本に在留している場合は、日本で先に手続きをすることをオススメします。
日本で先に婚姻手続きをする場合、以下のような流れになります。
①駐日ブラジル大使館・領事館で婚姻要件具備宣誓書を取得
②日本の市町村役場へ婚姻届けを提出
③駐日ブラジル大使館へ報告的届出
以下それぞれ詳しく解説します。
①駐日ブラジル大使館・領事館で婚姻要件具備宣誓書を取得
まずは駐日ブラジル大使館、または領事館で、ブラジル人の方の婚姻要件具備宣誓書を発行してもらいます。
ブラジル大使館で婚姻要件具備宣誓書を申請するには、証人が二名必要となります。
以下、婚姻要件具備証明書を申請する際に必要な書類です。
なお、ブラジル大使館が婚姻要件具備宣誓書の発行に求める必要書類は変更になっている場合があります。
申請に行く際は、事前に最新情報確認してから行きましょう。
②日本の市町村役場へ婚姻届けを提出
婚姻要件具備宣誓書を取得したら、日本の役所へ婚姻届けを提出しに行きます。
以下、役所に提出する必要書類になります。
婚姻届けに必要となる提出書類も、管轄の役所によって若干異なる可能性がありますので、届出先の役所へ事前に問い合わせ行うのが良いでしょう。
国際結婚手続きーブラジルで先に手続きする場合
ブラジルで先に婚姻手続きをする場合、一般的には以下のような流れになります。
①日本で婚姻要件具備証明書・戸籍謄本を取得する
②ブラジルの役所で婚姻の手続きを行う
⑤ブラジル日本大使館で婚姻届けの提出(報告的届出)
以下それぞれ詳しく解説します。
※ブラジルでの婚姻手続きについては、必要書類や手続き方法が異なっているがありますので、手続きの際は在ブラジル日本大使館や、ブラジル人配偶者の居住地近くの役所までお問い合わせください。
①日本で婚姻要件具備証明書と戸籍謄本を取得する
日本の法務局で婚姻要件具備証明書を発行してもらいます。
以下、必要書類となります。
また、市区町村役場で戸籍謄本も取得しましょう。
②ブラジルの役所で婚姻手続きを行う
婚姻要件具備証明書と戸籍謄本を取得したらブラジルへ渡航し、ブラジルの役所で婚姻の手続きを行います。
以下、ブラジルの役所での手続きの大まかな流れです。
①管轄の役所で「結婚の公示」を申請する
②結婚の公示が約1か月新聞に掲載される
③公示期間終了後、役所において結婚の予約をする
④結婚式を実施する
⑤在ブラジル日本大使館で婚姻届けの提出(報告的届出)
ブラジルでの結婚手続きが終了したら、婚姻が成立した日から数えて3か月以内に日本大使館で婚姻届けを提出する必要があります。
大使館への婚姻届けの提出方法は、窓口と郵送での申請方法があります。
以下が届出に必要となる書類です。
なお、婚姻成立地などによっても必要書類が異なってくる可能性がありますので、手続き前に日本大使館へ確認したほうが良いでしょう。
結婚手続き後は在留資格の申請をしよう
結婚手続きを済ませただけでは日本に適法に在留することはできません。
結婚手続き後は、出入国在留管理局(入管)へ在留資格の申請をして、在留資格を取得して初めて日本に適法に在留することができます。
ここでは、ブラジル人の方が現在ブラジルにいる場合と、既に何らかの在留資格を持って日本に在留している場合に分けて、申請手続きの概要を解説していきます。
ブラジル人の配偶者が現在ブラジル在住の場合
この場合、日本人配偶者の方がブラジル人の方の代理で、入管へ在留資格認定証明書交付申請をする必要があります。
申請方法に関しては、当サイトの記事でわかりやすく解説してありますので、自力でやる場合はぜひ参考にしてみてください。
認定申請の必要書類↓
在留資格認定証明書交付申請の書き方↓
質問書の書き方↓
身許保証書の書き方↓
在留資格認定証明書を取得したら在ブラジル日本大使館へ査証を申請する
在留資格認定証明書を取得したら、それを在ブラジル日本大使館へ持参して、査証申請を行います。
なお、在留資格認定証明書の有効期限は発行から3か月なので、期限が切れる前に査証申請をしましょう。※コロナの影響で有効期限が異なる場合があるので要確認
そこで査証が下りれば、パスポートと査証を持っていよいよ来日です✈
以下、査証申請の必要書類になります。
現在はコロナウイルスの関係で査証申請の必要書類や手続き内容が変更になっている可能性があるため、査証申請の前には事前に大使館、または領事館へ確認してください。
ブラジル人の配偶者が既に日本に在留している場合
ブラジル人の方が、既に中長期の在留資格を持って日本に在留している場合は、婚姻手続き後に入管へ在留資格変更許可申請を行います。
変更申請方法に関しては、当サイトの記事でわかりやすく解説してありますので、自力でやる場合はぜひ参考にしてみてください。
在留資格変更申請完全ガイド↓
在留資格変更許可申請書の書き方↓
変更申請の場合、新しい在留カードを取得すれば手続きは完了です。
まとめ
今回はブラジル人の方と国際結婚する場合の情報をまとめてみましたが、参考になりましたか?
国際結婚はいざするとなると、やらなければならない手続きが多く色々面倒くさいです。
もし面倒な手続きを丸投げしたいという方は、国際結婚に詳しい行政書士へ頼んでみてもいいかもしれません。
相談は無料なので、下のリンクからお気軽にどうぞ!