永住権

【解説】定住者から永住許可を取得する為に知るべき情報まとめました

定住者ビザから永住者ビザへ変更したい。

この記事はそんなあなたへ向けて書きました。

定住者から永住権を取得する為に知っておくべき永住許可の条件や必要書類まで、ビザ申請の専門家である行政書士が徹底的に解説していきます。

この記事を読むとわかること

・永住許可申請の概要

・定住者から永住者ビザへ変更するための条件

・申請の必要書類

定住者からの永住許可申請をする

永住許可申請には、申請者がもっている在留資格の種類によって、申請条件や必要書類などが異なるという特徴があります。

定住者の在留資格を持っている人にとって、永住権は比較的取得しやすいです。

 

永住が認められるためには、一定年数日本に継続して在留していなければならないという要件があります。

「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザを持っている人は、日本に10年以上継続して在留している必要があります。

しかし定住者の場合、定住者の在留資格を許可されてから引続き5年以上日本に居住していればよいとされています。

 

このように定住者は永住許可要件が緩和されるため、要件を満たしているのであれば永住申請をするのがオススメです。

定住者と永住者の違い

「定住者」とは特別な理由を考慮して居住が認められる外国人に与えられる在留資格です。

名前だけ聞くと「永住者」と似たような在留資格ですが、二者の大きな違いは在留期限の有無です。

定住者 永住者
就労制限 なし なし
在留期限 あり なし

 

永住許可申請の概要

定住者から永住許可申請を行う人のために、永住許可申請の概要をまとめました。

【永住許可申請の概要】

申請者 申請人本人、取次者、法定代理人など
申請先 住居地を管轄する地方出入国在留管理局
申請難易度
審査期間 4か月~
申請手数料 8,000円 (許可時)
永住申請のメリット ・就労制限なし

・在留期限なし

・ローンが受けやすい

・家族も永住権を取得しやすくなる

・・・etc

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定住者から永住許可を取得する為の条件

永住許可の判断は、法務大臣の自由裁量でなされます。

定住者の在留資格を持つ外国人が許可を得るためには、大きく4つの条件をクリアする必要があります。

永住権の4つの条件

①素行が善良であること

②独立して生計を立てることができる資産や技能があること

③日本の国益に合うと認められること

④身元保証人がいること

以下詳しく見ていきましょう。

素行が善良であること(素行善良要件)

要するに、日本の法令をしっかり守って日常生活を送れていれば問題ありません。

この素行善良要件では、更に3つの要件をクリアする必要があります。

  1. 日本の法令に違反して、懲役・禁固または罰金に処されたことがないこと
  2. 日常生活、社会生活において違法行為や風紀を乱す行為を繰り返し行っていないこと
  3. 少年法による保護処分が継続中でないこと

 

日本の法令に違反して、懲役・禁固または罰金に処せられたことがないこと

原則過去に日本で逮捕され、罰金刑以上の判決が下りた場合は素行善良とみなされず、永住権は許可されません。

しかし以下ケースのように、判決を受けてから一定期間経過した場合は永住の許可が下りる可能性があります。

  • 刑務所から出所後10年が経過したとき
  • 執行猶予期間が満了してから5年が経過したとき
  • 罰金の支払いを終えてから5年が経過したとき

上記期間の経過を待ってはじめて永住許可申請ができるようになります。

日常生活、社会生活において違法行為や風紀を乱す行為を繰り返し行っていないこと

「違法行為」や「風紀を乱す行為」とは

  • 交通違反
  • 日本在住の家族に対する監督不十分

が挙げられます。

交通違反について

過去5年で5回以上取り締まりに合っていると「違法行為を繰り返し行っている」とみなされます。

日本在住の家族に対する監督不十分について

申請者の配偶者や子供が家族滞在ビザを持って日本にいる場合は注意が必要です。

家族滞在ビザでは原則働くことが認められておらず、「資格外活動許可」を取得した場合のみ、週28時間以内で就労することができます。

万が一配偶者や子供が上記の制限を超えて働いている場合、永住申請者本人も「監督不十分」として、違法行為をしているとみなされてしまいます。

少年法による保護処分が継続中でないこと

少年法による保護処分とは、少年院に送致されている場合や、保護観察処分中の場合をいいます。

保護処分継続中だと永住申請はできません。

独立して生計を立てられる資産や技能があること(独立生計要件)

独立生計要件では、日常生活で公共の負担とならず、安定した生活が見込めていることが必要とされます。

国は主に以下のポイントに着目し、独立生計能力の有無を判断しています。

  • 収入
  • 扶養人数
  • 転職

収入

独立して生計を立てていけるか判断する上で、収入は重要な指標です。

定住者の場合、過去5年間にわたって年収が300万円以上あるというのが一つのハードルとされています。

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扶養人数

扶養人数によって永住許可の必要年収のハードルは上がります。

1人増えるごとに、必要年収300万円+約70万円必要です。

転職

年収が大幅に上がるようなキャリアアップ転職であれば問題ありません。

しかし転職をした結果特に年収も待遇も変わらない場合、転職は審査のマイナス要素になってしまう恐れがあります。

キャリアアップ以外の転職をした場合は、最低でも転職先に就職してから1年経過した後申請を行うのがオススメです。

日本の国益に合うと認められること(国益適合要件)

国益適合要件とは、永住申請をする外国人が日本の利益に合うと認められる必要があるということです。

国益適合の有無は、以下の5つの条件を満たすかどうかで判断します。

  1. 必要年数以上継続して日本に在留していること
  2. 納税などの公的義務を果たしていること
  3. 現在持っている在留資格について最長の在留期間があること
  4. 公衆衛生上の観点から有害となる恐れがないこと
  5. 著しく公益を害する行為をする恐れがないと認められること

 

必要年数以上継続して日本に在留していること

定住者の場合定住者の在留資格を許可されてから引続き5年以上日本に在留している必要があります。

「日本人の配偶者等」の在留資格を持っていた人が、離婚や死別によって「定住者」になった場合、

「日本人の配偶者等」の在留資格での滞在と合わせて引続き5年以上日本に在留していると良いとされています。

納税などの公的義務を果たしていること

会社から各種税金が天引きされているのであれば安心です。

しかしそうでない場合、住民税や国民健康保険税、国民年金等をしっかり期限通りに支払っているかどうかが重要となります。

特に期限通りに支払いができているかが重視され、1日でも遅れてしまった場合は不許可の恐れがあります。

支払い忘れ防止のためにも、口座自動引き落とし制度を利用することをオススメします。

現在持っている在留資格について最長の在留資格があること

法律上、最長の在留期間は「5年」です。

しかし2022年現在、「3年」の在留期間があれば永住権申請はすることができるとされています。

いまだ「1年」の在留期間しか持っていない人は、「3年」の在留期間がもらえるまで更新をする必要があります。

公衆衛生上の観点から有害となる恐れがないこと

具体的には、大麻や覚せい剤の慢性中毒者が該当します。

その他、エボラ出血熱、痘そう、ペストや指定感染症、新感染症などをり患している人は、公衆衛生上の観点から有害となる恐れがあるとみなされます。

著しく公益を害する行為をする恐れがないと認められること

これは上記の「素行善良要件」の内容と重なります。

身元保証人がいること

身元保証人を必ず用意する必要があります。

申請者は、以下の条件に該当する人を身元保証人として選ばなければなりません。

【身元保証人になれる人】

・日本人

・日本の永住権を持っている外国人

【身元保証人に求められること】

・職についていること

・年収300万円以上(が好ましい)

・住民税等の税金を納めていること

※2022年6月より提出書類が緩和されたことにより、上記を証明する書類が提出不要となりました。

身元保証人の保証内容は外国人の法令順守、公的義務を履行するため必要な支援を行うことです。

ここでいう身元保証とは、いわゆる借金の肩代わりをするような連帯保証ではありません。

万が一身元保証をした外国人が法令順守せずに逮捕された場合でも、身元保証人が責任を負うという種のものではないのです。

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永住申請に必要となる書類

永住許可申請に必要な書類はケース別に出入国在留管理庁のホームページに掲載されています。

参照:永住許可申請(出入国在留管理庁)

しかし、入管のHPに掲載されているのはあくまで申請に最低限必要な書類。

より永住権の許可率を高めるためには、最低限の書類以外にも、個々の状況に応じた必要書類を作成・収集していく必要があります。

ここでは実務上よく提出する必要書類を掲載しました。

永住申請の必要書類一覧

【自分で作成する書類】

  • 永住許可申請書
  • 申請理由書
  • 了解書

【自分で用意する書類】

  • 証明写真
  • 在留カード
  • パスポート
  • 自宅の賃貸契約書のコピー
  • 預金残高が確認できるもの
  • 健康保険証のコピー
  • 住民税を納めていたことが分かる領収書または通帳の写し(住民税を自分で支払っている場合)
  • 国民年金保険料の領収書写し(直近2年間に国民年金に加入していた方)
  • 国民健康保険の領収書写し(直近2年間に国民健康保険に加入していた方)
  • 職業を証明する書類

【各役所で発行してもらう書類】

  • 住民票
  • 住民税の納税証明書
  • 住民税の課税証明書
  • 国税の納税証明書
  • ねんきん定期便、またはねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面(厚生年金に加入している方)
  • 国民健康保険料納付証明書(国民健康保険に加入している方)
  • 不動産の登記事項証明書(持ち家の場合)

【身元保証人に作成・収集してもらう書類】

  • 身元保証書
  • 身元保証人の身分証明書写し

申請に必要な書類については以下の記事で詳しく書いています。

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まとめ

ビザゴリ
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この記事では定住者から永住許可申請をするために必要な情報をまとめてきたけど、参考になったかな?

定住者には比較的永住許可が取得しやすいというアドバンテージがあります。

手続は確かに大変ですが、その分メリットも大きいので十二分に検討の価値があるでしょう。

自分でやるのが大変そうであれば、ビザ申請の専門家へ無料相談してみるのも一つの手です。

ABOUT ME
編集長 TAKAO
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。

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