様々なメリットがある永住権ですが、そのうちの一つが住宅ローンが組みやすくなることです。
今回は永住権と住宅ローンについて、ビザの専門家である行政書士が解説します。
目次
永住権があれば住宅ローンは通りやすい
外国人が日本で永住権を取得すると、以下のように様々なメリットがあります。
- 在留期限がなくなる
- 就労制限がなくなる
- ステータスの変更に在留資格が左右されなくなる
- 万が一の時も在留特別許可が認められやすくなる
そして、日本でのより安定的な地位が保証され、信用力が上がることにより住宅ローンが通りやすいというメリットも生まれます。
日本に生活の基盤を置き、長期的に暮らしていこうと考えている外国人にとって、住宅ローンで家を購入できるのは大きなアドバンテージです。
永住権が無くても住宅ローンは組めるか
多くの金融機関が「永住権を所有していること」を住宅ローン審査の条件としています。
しかし金融機関によっては、永住権が無かったとしても、一定条件をクリアすれば住宅ローンが組める場合があります。
諸条件は金融機関ごとに異なりますが、以下に一例を紹介します。
就労の制限がない在留資格を持っているか
”就労制限がない在留資格”を持っていることを住宅ローンの条件としている金融機関があります。
そもそも在留資格の多くは就労制限があります。
しかし永住権に限らず、就労制限がない在留資格が一定数存在します。
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者
上記の在留資格には就労制限がないため、働きたい職種を自由に選択することが可能です。
これらの在留資格を持っている人は住宅ローンが組める可能性があるかもしれません。
安定・継続した収入があるか
「安定・継続した収入」の定義は金融機関によっても異なります。
一例を挙げると、
- 年収300万円以上
- 勤続1年以上
- 事業開始後3年以上(経営者、個人事業主の場合)
などが挙がります。
住宅ローンの条件のなかで、一定の収入があることについては、日本人にも同様に求められます。
しかし、永住権のない外国人に対してはより厳しく審査されることがあります。
自己資金が十分にあるか
日本人と同様、自己資金が十分にあるかが審査の際に重要となります。
一般的には自己資金は物件額の20%以上と言われます。
しかし通常よりも厳しく審査されることになるであろう外国人の方は、できるだけ自己資金を潤沢に用意していた方が良いです。
日本語力があるか
多くの場合、契約は日本語で日本人担当者と行います。
したがって、住宅ローンを利用する外国人は最低限日本語でコミュニケーションが取れるレベルの日本語力を持っていることが必要です。
契約内容を日本語で理解できない場合は断られるケースもありますので、最低限の日本語能力は必須です。
【永住権が無くても住宅ローンが組める金融機関】
住宅ローンを通りやすくするために永住権を目指す
日本で自宅を購入したり、長期的な生活の基盤を作るためには永住権の取得がキーとなります。
ここでは永住権を取得するために知っておくべき情報を共有します。
永住権の条件
永住権を取得する為には、最低限「永住許可のガイドライン」を満たしている必要があります。
このガイドライン中、クリアすべき項目は大きく分けて4点あります。
- 素行が善良であること
- 独立して生計を立てることができる資産や技能があること
- 日本の国益に合うと認められること
- 身元保証人がいること
上記の各項目ごとに、さらに詳しく満たすべき条件が設定されています。
詳しくは以下の記事で解説しています。
永住許可申請の必要書類
永住権は取得すると大きなメリットがある反面、通常の在留資格よりも厳しく審査されるという側面があります。
したがって、許可申請に必要な書類もとても多いです。
【永住許可申請に必要な書類の一例】
- 永住許可申請書
- 申請理由書
- 了解書
- 住民票
- 住民税の納税・課税証明書
- 国税の納税証明書
- ねんきん定期便、またはねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面
- 国民健康保険料納付証明書
- 預金口座が確認できる書類
- 自宅の賃貸契約書
- 身元保証書
ここに挙げたのはほんの一例ですが、ケースによってそろえる書類も異なってきます。
行政書士などに申請を依頼しないで自力で申請を行う場合は、書類の収集・作成には相当な労力が必要です。
現在の在留資格によって申請の難易度は異なる
永住申請をする人が、現在どんな在留資格を持っているかによってその難易度が変わってきます。
- 就労系の在留資格を持っているケース
- 「定住者」の在留資格を持っているケース
- 「日本人の配偶者等」の在留資格を持っているケース
- 「高度専門職」の在留資格を持っているケース
各ケースによって、永住許可の条件も微妙に変わってきます。
自分がどのケースに該当するのか、申請前に把握しておくことは重要です。
永住許可申請が難しいと感じたら
住宅ローンで家も欲しいし、日本に長く住みたい・・・。
でも永住許可申請は難易度が高いし、自分で書類作成をするのも大変そうですよね。
このサイト「ビザ部」には永住権に関する情報が多く載っていますので、これから永住許可を目指す人にはぜひ参考にしてほしいです。
また、専門家である行政書士に相談したいという人は、お気軽にお問い合わせください。
もちろん相談料は無料です。