配偶者ビザの申請には、多くの書類を添付しなければなりません。
本記事で解説するのはその書類の一つ、身元保証書です。
夫から配偶者ビザ更新のための身元保証書の記名と押印求められて、
「ああ、もうそんな時期か」
と。いくら夫婦共に風邪っぴきでも、こればかりはしっかり書いて提出しないと💦— 花菖蒲@医療通訳/翻訳勉強中 (@3594changpu) December 14, 2018
今回は身元保証書についての概要と書き方について、ビザ申請専門の行政書士である筆者が初めての方にもわかりやすく解説していきます。
<この記事が参考になる人>
・身元保証書がどのようなものなのか知りたい
・身元保証書の正しい書き方を知りたい
・イレギュラーのケースも知っておきたい
目次
配偶者ビザの身元保証書とは
配偶者ビザの身元保証書とは、配偶者ビザの申請の際に必ず提出すべき書類で、申請者(外国人配偶者)の身元保証することを出入国在留管理局に約束した書面です。
基本的に、身元保証人は日本人配偶者がなります。
身元保証人となる人は、以下の事項について保証をします。
<身元保証人が保証する内容>
・滞在費
外国人配偶者の日本滞在費、生活費の負担
・帰国旅費
外国人配偶者が帰国する際に発生する旅費の負担
・法令の遵守
外国人配偶者が法令遵守できているかの監督
この身元保証には、法的拘束力はありません。
従って、当事者の代わりに借金を肩代わりするような連帯保証人とは異なります。
仮に配偶者の身元保証人になったとして、何らかの理由で外国人配偶者が法律違反で逮捕されたとしても、身元保証人は規約違反として罰せられることなどありません。
ここでいう身元保証は、法的責任ではなく、道義的責任となります。
道義的責任と法的責任
道義的責任=人として正しいとされる道理を守るべき責任。
法的責任=法律によって人に課された責任。
<身元保証書とは まとめ>
・身元保証書は外国人配偶者の身元保証をすることを約束した書面
・身元保証人には日本人配偶者がなる
・身元保証人に法的責任はなく、道義的責任があるのみ
身元保証書を作成する際に気を付けること
身元保証書の具体的な作成方法に入る前に、身元保証書を作成する際に気を付ける点を以下にみていきましょう。
1.身元保証書は身元保証人が自筆で作成したものか
身元保証書は配偶者ビザ申請における大事な書類です。
従って、身元保証書は誰かが代筆することは認められておらず、身元保証人本人が自筆で作成する必要があります。
身元保証人は日本人配偶者だけでなく、その親族の方もなることがありますが、その場合は特に注意です。
「まぁわからないだろう」とか思って、日本人配偶者が代筆してしまったりすると、ばれた時は間違いなく審査に影響します。
審査官から身元保証人に直接電話が入ることもあるそうなので、勝手に身元保証人として書類を作成するなどはもってのほかです。
身元保証書は、必ず身元保証人になる方本人が作成するようにしましょう。
2.身元保証人に申請者の身元保証できるだけの収入はあるか
道義的責任とはいえど、全くの無資力者が身元保証人となっては配偶者ビザを取得することは困難です。
法律で身元保証人の収入のボーダーを設けられているわけではありませんが、実務上は最低年収200万円以上あるのが好ましいとされています。
以下でも詳しく説明しますが、日本人配偶者が無職の場合や収入が少ない場合、その方の親族等に別途身元保証人になってもらうことがあります。
3.身元保証人は複数の外国人の身元保証人となっているか
身元保証人が既に他の外国人の身元保証人になっているケースは注意が必要です。
この場合、その身元保証人が現実的に複数外国人の身元保証をできるのかどうか審査されることになります。
また、過去に身元保証をした外国人が、法令遵守をせずに逮捕されてしまった場合や、帰国滞在費を支弁していなかった場合は、当然身元保証人としての資質を問われることになります。
配偶者ビザの身元保証書の書き方
それでは上の記載例に従って身元保証書の書き方を解説していきましょう。
身元保証書が手元にない方はこちらからダウンロードしてください。
1.作成した日付
日付欄には、身元保証書を作成した日付を記入しましょう。
「年」は西暦でOKです。
2.国籍
国籍欄には外国人配偶者の方の国籍を記入します。
なお、記載例では「アメリカ合衆国」と記載していますが、通称名の「アメリカ」でも問題ないです。
例:中国(中華人民共和国)、フィリピン、韓国(大韓民国)
3.氏名(外国人配偶者)
氏名はパスポートの表記をそのまま転記しましょう。
パスポートのSURNAME/GIVENNAME(姓)から順に記載していきます。
4.氏名(身元保証人)
身元保証人の氏名は自筆で記入しましょう。
以前の書式では印鑑を押印する必要がありましたが、現在は押印不要です。
その代わりに自筆で記入します。
5.住所・電話番号
身元保証人の住所を記入します。
住所は住民票から転記します。
配偶者ビザの各書類作成では、日本人配偶者の住所を入力する場面が多いですが、それぞれの書類に齟齬が無いように、住民票の表記をそのまま各書類に転記するようにしましょう。
電話番号は日中繋がりやすい電話番号を記載しておきましょう。
6.職業・勤務先
職業と勤務先を上の例のように記入します。
自営業の方や会社役員の方は以下の例のように記入すればOKです。
(自営業者の場合)
(会社役員の場合)
電話番号は、実際に勤務している営業所の電話番号を記載するようにしましょう。
7.国籍(身元保証人)
身元保証人の国籍を記入します。
ここには日本人配偶者の国籍「日本」を記入しておけばOKです。
8.被保証人との関係
被保証人=外国人配偶者です。
日本人側が妻であれば「妻」、「夫」であれば夫と記入します。
番外編:身元保証人に日本人配偶者以外がなる場合
配偶者ビザの身元保証人は原則として日本人配偶者がなります。
しかし、上でも少し触れましたが、日本人配偶者の親族が身元保証人になるケースがあります。
以下のような場合は、親族にも身元保証人になってもらうのがベターです。
<親族にも身元保証人になってもらうケース>
・日本人配偶者が無職の場合
・日本人配偶者がフリーターの場合や収入の低い職についている場合
・夫婦で海外に在住している場合
以下のようなケースの場合は、審査を有利に進めるためにも親族に身元保証人になってもらう事を検討しましょう。
配偶者ビザの審査では、日本で外国人申請者が生計をきちんと立てていけるかという所を厳しくチェックされます。
従って、親族に追加で身元保証人になってもらうことによって、審査窓口に生計面では問題が無いことをアピールすることができるのです。
また、配偶者以外が身元保証人になる場合は、その身元保証人に関わる追加書類の添付が必要となります。
以下が添付書類です。
<配偶者以外が身元保証人になる場合の追加必要書類>
・住民票
・住民税課税証明書
・住民税納税証明書
・在職証明書、雇用契約書など
・預金通帳のコピー、残高証明書など
そもそも配偶者ビザ申請の必要書類を知りたいという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
本記事では配偶者ビザの身元保証書の書き方を解説してきましたが、参考になりましたでしょうか。
当ブログビザ部では、身元保証書以外にも配偶者ビザの質問書・理由書の書き方や、申請書の書き方等を紹介していますので、配偶者ビザを自分で申請される方は以下の記事も参考にしてみてください。