国際結婚

申請理由書とは?配偶者ビザを勝ち取るための書き方講座【決定版】

配偶者ビザ申請に必ず必要な書類ではないけれど、審査を有利にするために絶対に絶対に出した方が良い書類。

それが、申請理由書です。

この記事では、

・配偶者ビザの申請理由書とは何か?

・どのように作成していけば良いか?

という事について、ビザ申請コンサルタント(行政書士)である筆者が、初めての方にもわかりやすく解説していきます。

ビザゴリ
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申請理由書はビザ申請の書類の中でも特に重要な位置づけになるから、しっかりこの記事で勉強しよう!

<この記事が参考になる人>

・日本でビザ(在留資格)を申請する予定がある人

・申請理由書とは何かよく分からない人

・配偶者ビザの申請理由書の書き方が分からない人

・他のサイトを見てみたが、難しくてよく分からなかった人

 配偶者ビザの申請理由書とは?

申請理由書とはなにか?

簡単に説明すると、以下の4つの項目を説明した文書です。

<申請理由書で説明する内容>

①夫婦である二人がいつ、どこで、どのようにして知り合ったのか

②どのように交際が始まり、どのようにプロポーズまでに至ったのか

③今後どのような結婚生活を送り、生計を立てていくか

上記の項目を順序だてて説明し、夫婦の間柄を詳細に説明することによって、

「自分たちは配偶者ビザが許可されるべき夫婦である。」

ということを、出入国在留管理庁の審査官にアピールするために作成する文書ともいえます。

A4用紙1~3枚程度で仕上げるのが通常です。

冒頭でも取り上げたとおり、申請理由書は配偶者ビザの申請にあたり提出が必須とされている書類ではありません。

しかし、審査官に向けて夫婦の間柄をより詳しくアピールできる申請理由書は審査の上で有利に働きますので、必ず添付することをオススメします。

配偶者ビザの基本が知りたい方はこちら。

<配偶者ビザパーフェクトガイド>基本~重要ポイントまでまる分かりこれから外国人の配偶者と日本で生活する人、そしてその配偶者の人にとって「配偶者ビザ」たるものを理解する事はとても重要です。そこで、ビザ申請の専門家である行政書士が分かり易く解説していきます。この記事を読むだけで、配偶者ビザの全体像が頭に貼りますので、配偶者ビザについて知りたいという方は必読です。...

申請理由書は「質問書」に別紙として添付する書類

 

配偶者ビザの申請に必要な書類の一つとして、「質問書」があります。

質問書とは、夫婦の出会った経緯や家族構成、普段使用している言語等、幅広い質問が記載されている文書で、配偶者ビザの許可の可否に大きく影響する重要な文書です。

申請理由書は、この質問書の質問事項に対して、「別紙」としてより詳細な説明を追記する文書という位置づけになります。

なお、質問書・理由書は通常日本人の目線から作成する書類です。

上記の文書は質問書の2ページ目です。

上記記載例のように「別紙のとおり」として理由書をつけます。

なお、この質問書と理由書は認定申請・変更申請の時に必要であり、更新申請の時には基本的には必要ありません。

配偶者ビザ申請の必要書類についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

【完全版】配偶者ビザの必要書類を徹底解説しますこの記事を読んでいる方は、おそらく配偶者ビザの申請を考えていると思います。 配偶者ビザに限った事ではありませんが、ビザの申請では多...

申請理由書の内容・書き方を詳しく解説

これまで申請理由書の概要を見てきましたが、ここではその内容について詳しく掘り下げてみていきます。

その前に、今一度内容を確認してみましょう。

<申請理由書で説明する内容>

①夫婦である二人がいつ、どこで、どのようにして知り合ったのか

②どのように交際が始まり、どのようにプロポーズまでに至ったのか

③今後どのような結婚生活を送り、生計を立てていくか

①夫婦である二人が、いつ、どこで、どのように知り合ったか。

まずは二人が出会ったきっかけを説明します。

いつ、どこで、どのようにして出会ったか、その時の相手の印象なども交え、出来るだけ詳細に書いていくようにしましょう。

(例)

いつ…20○○年〇月頃

どこで…当時アルバイトとして働いていた○○区のカラオケ店

どのようにして…妻(夫)が新人のアルバイトとして入ってきた

印象…彼女はとても笑顔が多く人懐っこいので、お客様に好かれそうな良い新人が入ってきたなと思う

これらを順序だてて文章にしてみましょう。

私が、妻のビザゴリ子と出会ったのは、2016年8月頃でした。(いつ)

私は当時ビザ部大学の学生をしており、アルバイトとして渋谷区のカラオケ店で働いていましたが、そこで妻が新人のアルバイトとして入ってきたのが出会ったきっかけです。(どこで、どのように)

妻はとても笑顔が多く人懐っこいので、お客様に好かれそうな良い新人が入ってきたなというのが第一印象でした。(印象)

一方妻は、私に対して無口でとっつきにくそうという第一印象を抱いていたそうです。(相手からの印象)

②どのように交際が始まり、どのようにプロポーズまで至ったか

ここからはどのように交際が始まり、プロポーズまで至ったかのストーリーを書いていきましょう。

出来るだけ詳細に思い出してください。

こっぱずかしいかもしれませんが、詳細に書かれているほど説得力の高い理由書が出来上がります。

以下のように分けて考えていくと文章を組み立てやすいです。

(1)どのように交際を始めたか

(2)交際状況はどのようなものだったか(交際中に行った印象深い旅行やエピソードなど)

(3)プロポーズに関して(心境の変化、プロポーズの状況)

(4)プロポーズその後(婚姻届について、結婚式の有無)

それでは、この内容を参考にしてそれぞれ文章を組み立てていきます。

なお、重要なことは赤字で付記していますので参考にしてください。

(1)どのように交際を始めたか

出会ったばかりの頃は、アルバイト先で分からないことを聞かれたら教えたり、また自分の仕事を手伝ってもらうだけの関係でした。

しかし、日が経つにつれ段々と冗談を言い合ったり、プライベートな話をするようになり、徐々に親しい間柄になっていきました。

この頃には、私に妻のことをもっと知りたい、もっと一緒にいたいという気持ちが大きくなっているのが分かりました。(当時の感情)

2016年10月〇日、思い切って妻の連絡先を聞きました。妻は快諾してくれ、お互いの連絡先を交換しました。私がその日付を詳細に覚えているのは、当時あまりに嬉しく、初めてのメッセージをいまだに残しているからです。(具体的な日付は大切)

その後すぐに私から妻に連絡をし、初めてプライベートで食事に誘いました。

初めてのディナーは妻の好きな韓国料理を食べ、帰り際近所の公園に立ち寄り、そこで私から付き合ってほしいという事を告白しました。

1回目のデートでいきなり告白された妻は少し戸惑ったようですが、戸惑いよりも私と一緒になりたいという気持ちが勝ったようで、笑顔で「お願いします」との返事をもらい、その日から交際がスタートしました。(妻の心情もいれる)

(2)交際状況はどのようなものだったか

交際してからは、アルバイトでシフトの一緒の日には帰り道カフェによったり、ファミリーレストランに寄ってしばらく談笑したりして、二人の時間を満喫していました。

また、お互いに忙しく、中々会えない時でも毎日電話やLINEで連絡を取るようににしていました。(交際後の日常を説明。申請の際LINEなどのやり取りのキャプチャも添付すると尚良し)

週末や大学が長期休暇の時には、日本国内を旅行しました。日光や江の島、レインボーブリッジなどの近場を巡ったり、なかでも思い出深いのは、2018年12月〇日に二人で初めて飛行機に乗って行った北海道の函館です。(具体的な旅行先を記載。写真があればベター

函館では、妻が大好きなお寿司をたらふく食べたり、函館山から夜景を眺めたりしました。函館のきれいな夜景に見とれながら妻と将来のことを語り合ったあの時間は、幸せ以外の何物でもありませんでした。(旅行などのイベントで特に心に残っていることを切り取る)

(3)プロポーズに関して

交際は順調に進んでいく中で、徐々に妻と家庭を持ちたいという願望が芽生えてきていました。(心境の変化)

そして2019年8月〇日、自宅で一緒に過ごしていた時に私から婚約指輪を渡し、プロポーズしました。妻はとても驚いた様子でしたが、笑顔でうなずいてくれました。(プロポーズの日付、状況)

 (4)プロポーズその後

2019年9月〇日には私の両親に妻を紹介し、結婚を報告しました。私の両親や兄弟とも和気あいあいと話している姿を見て、とても安心しました。

また、2019年12月○日にはアメリカに行き、妻のご両親にごあいさつに行きました。

上記の様な経緯で、私たちは2020年1月○日に港区役所に婚姻届を提出しました。(結婚届を提出した場所・日付)

結婚式につきましては、身内だけで挙げる小さな挙式を2020年12月○日に予定しています。(結婚式について)

結婚式を行った後、1週間ほどインドネシアのバリ島に新婚旅行に行く計画を立てています。

③今後どのような結婚生活を送り、生計を立てていくか

最後は、今後の生活についてです。

結婚した後現在はどのように暮らしているのか、生計面はどうなっているのかを書いていきましょう。

結婚届を提出した後、2020年2月から妻と同居をはじめ、現在も夫婦仲良く生活しております。(現在の生活)

私は大学卒業してから株式会社ビザ部で営業関係の仕事をしており、現在年収は約320万円で、妻も年収約200万円あります。預貯金は私が約140万円、妻が120万円あります。

現在の自宅は2DKで家賃が月額12万円なので、妻と二人で十分に暮らしていくことができ、金銭的に特に問題はございません。(生計面について)

妻は日本の会社で働くことにも慣れてきており、日本語も上達してきているので、今後も引き続き日本で立派に生活していけると信じています。

 申請理由書の完成形

さて、ここで今までそれぞれの章に分けて紹介してきた文章を繋げて、一つの完成した申請理由書をお見せしましょう。

これから申請理由書を作成しなければならない人は是非読んで参考にしてみてください。

東京出入国在留管理局長殿

申請理由書

申請人:ビザゴリ男

申請人の妻:ビザゴリ子

私は申請人の夫でビザゴリ男と申します。2020年1月〇日にアメリカ国籍のビザゴリ子と日本で結婚致しました。日本人の配偶者等の在留資格変更の申請を許可して頂きたく、妻と結婚するに至った交際経緯や申請理由について説明させていただきます。

■妻との交際経緯について

私が、妻のビザゴリ子と出会ったのは、2016年8月頃でした。私は当時ビザ部大学の学生をしており、アルバイトとして渋谷区のカラオケ店で働いていましたが、そこで妻が新人のアルバイトとして入ってきたのが出会ったきっかけです。妻はとても笑顔が多く人懐っこいので、お客様に好かれそうな良い新人が入ってきたなというのが第一印象でした。一方妻は、私に対して無口でとっつきにくそうという第一印象を抱いていたそうです。

出会ったばかりの頃は、アルバイト先で分からないことを聞かれたら教えたり、また自分の仕事を手伝ってもらうだけの関係でした。しかし、日が経つにつれ段々と冗談を言い合ったり、プライベートな話をするようになり、徐々に親しい間柄になっていきました。この頃には、私に妻のことをもっと知りたい、もっと一緒にいたいという気持ちが大きくなっているのが分かりました。

2016年10月〇日、思い切って妻の連絡先を聞きました。妻は快諾してくれ、お互いの連絡先を交換しました。私がその日付を詳細に覚えているのは、当時あまりに嬉しく、初めてのメッセージをいまだに残しているからです。その後すぐに私から妻に連絡をし、初めてプライベートで食事に誘いました。初めてのディナーは妻の好きな韓国料理を食べ、帰り際近所の公園に立ち寄り、そこで私から付き合ってほしいという事を告白しました。1回目のデートでいきなり告白された妻は少し戸惑ったようですが、戸惑いよりも私と一緒になりたいという気持ちが勝ったようで、笑顔で「お願いします」との返事をもらい、その日から交際がスタートしました。

交際してからは、アルバイトでシフトの一緒の日には帰り道カフェによったり、ファミリーレストランに寄ってしばらく談笑したりして、二人の時間を満喫していました。また、お互いに忙しく、中々会えない時でも毎日電話やLINEで連絡を取るようににしていました。週末や大学が長期休暇の時には、日本国内を旅行しました。日光や江の島、レインボーブリッジなどの近場を巡ったり、なかでも思い出深いのは、2018年12月〇日に二人で初めて飛行機に乗って行った北海道の函館です。函館では、妻が大好きなお寿司をたらふく食べたり、函館山から夜景を眺めたりしました。函館のきれいな夜景に見とれながら妻と将来のことを語り合ったあの時間は、幸せ以外の何物でもありませんでした。

交際は順調に進んでいく中で、徐々に妻と家庭を持ちたいという願望が芽生えてきていました。そして2019年8月〇日、自宅で一緒に過ごしていた時に私から婚約指輪を渡し、プロポーズしました。妻はとても驚いた様子でしたが、笑顔でうなずいてくれました。

2019年9月〇日には私の両親に妻を紹介し、結婚を報告しました。私の両親や兄弟とも和気あいあいと話している姿を見て、とても安心しました。また、2019年12月○日にはアメリカに行き、妻のご両親にごあいさつに行きました。上記の様な経緯で、私たちは2020年1月○日に港区役所に婚姻届を提出しました。結婚式につきましては、身内だけで挙げる小さな挙式を2020年12月○日に予定しています。また、結婚式を行った後、1週間ほどインドネシアのバリ島に新婚旅行に行く計画を立てています。

■今後の結婚生活について

結婚届を提出した後、2020年2月から妻と同居をはじめ、現在も夫婦仲良く生活しております。結婚してからも現在まで、妻は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で生活しておりましたが、今後も日本で生活していくうえで「日本人の配偶者等」の在留資格への申請をさせて頂くことになりました。

私は大学卒業してから株式会社ビザ部で営業関係の仕事をしており、現在年収は約320万円で、妻も年収約200万円あります。預貯金は私が約140万円、妻が120万円あります。現在の自宅は2DKで家賃が月額12万円なので、妻と二人で十分に暮らしていくことができ、金銭的に特に問題はございません。妻は日本の会社で働くことにも慣れてきており、日本語も上達してきているので、今後も引き続き日本で立派に生活していけると信じています。

私は、妻と出会えたことに感謝し、これから妻と共に日本で誠実に暮らしていきたいと考えております。上記の内容をご高配いただき、「日本人の配偶者等」の在留資格変更を許可していただきますようお願い申し上げます。

まとめ

本記事では理由書の書き方について具体的に解説していきましたが、参考になりましたでしょうか。

実際のところ、人それぞれ結婚に至る背景が大きく異なります。

離婚歴のある人、夫婦で年齢差が大きい人、オーバーステイによる出国命令を受けたことがある人等、本当に人それぞれです。

申請理由書を作成する際は、ケースに合わせて適切な理由書を作成していくことになります。

例えば、オーバーステイによる出国命令を受けたことがある人は、その経緯や反省点などを詳細に記載していく必要があります。

当サイトの理由書の書き方を参考に書いてみて、それでも作成が難しそうであれば筆者のような専門家に頼るのも良いと思います。

いずれにせよ、申請理由書のできは審査に大きく影響してきますので、慎重に作成するようにしていきましょう。

ABOUT ME
編集長 TAKAO
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。

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