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【図解】就労資格証明書とは?申請の必要書類から記入例まで徹底解説

外国人が転職する際に、あるとなにかとメリットが大きい就労資格証明書。

今回この記事では、就労資格証明書の概要から申請の際の必要書類、また交付申請書の書き方・記入例まで、ビザ専門の行政書士が分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること
  • 就労資格証明書とはなにか
  • 就労資格証明書を取得するメリット・デメリット
  • 就労資格証明書を申請する際の必要書類
  • 就労資格証明書交付申請書の書き方・記入例

就労資格証明書とは

就労資格証明書とは、外国人が行うことができる就労活動について、国が証明した文書です。

就労資格証明書の取得は義務ではなく、あくまでも任意的なものです。

例えば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもつ外国人が転職するケースで考えてみましょう。

転職によって今までとは異なった業務内容の仕事をする場合、その業務内容が在留資格の範囲内の活動として認められるかどうかは、在留資格の更新許可申請をしてみるまで定かではありません。

万が一、転職先の業務内容が在留資格の範囲外であった場合や、正当性をうまく立証できなかった場合、外国人の在留資格更新は不許可となり、帰国を余儀なくされます。

また、企業側も(図らずも)不法就労であった外国人を雇用したとして、不法就労助長罪となるリスクもあります。

そこで、そのような外国人と雇用主側の利便を図るために登場するのが「就労資格証明書」です。

この証明書を取得することによって、「外国人が該当する業務に従事すること」について国がお墨付きを与えてくれるというわけです。

就労資格証明書を取得するメリットは以下のように様々あります。

  • 在留資格の更新申請が簡易的になる
  • 更新申請を行政書士に依頼する場合、費用が安くなる
  • 外国人が安心して働くことができる
  • 雇用主は不法就労を助長する心配なく外国人を雇用することができる
  • 不交付の場合もリカバリーの時間が残されている

在留資格の更新申請が簡易的になる

一度就労資格証明書が交付されれば、更新申請の手続きが簡易的になります。

すでに転職先の職業について、国からお墨付きがもらえているからです。

就労資格証明書がない状態で更新申請に臨む場合、立証資料も多く必要となり、審査にも時間がかかります。もちろん不許可のリスクもありえます。

更新申請を行政書士に依頼する場合、費用が安くなる

在留資格の更新申請を行政書士などの業者に外注する場合、外国人がすでに就労資格証明書を取得している場合だと、申請手数料が安くなります。

業者にもよりますが、5~10万円程度変わってきます。

まぁこの手数料の違いでも分かる通り、転職後に就労資格証明書なしでの更新申請の手続きは大変ということです。

外国人が安心して働くことができる

転職しても就労資格証明書を取得していない場合、更新申請の際に不許可になって勤続できないリスクがあります。

しかし証明書を取得していれば、現在の就労活動が適法であるということにお墨付きが与えられています。

したがって不法就労になる恐れもなく、外国人も安心して転職先で働くことができます。

雇用主は不法就労を助長する心配なく外国人を雇用することができる

雇用主は、不法就労外国人を雇ったり、在留資格外の活動助長した場合、不法就労助長罪に問われることがあります。

したがって、万が一雇用した外国人が在留資格の範囲外の活動を行ってることが発覚した場合は雇用主側にもリスクがあります。

就労資格証明書を持っている外国人を雇用できれば、不法就労助長罪に問われるようなリスクはなくなりますので、雇用主にとってもメリットがあります。

なお、「雇用主は外国人が就労資格証明書を提示しない場合でも、雇用の差別など不利益な扱いをしてはならない」という規定が存在します(入管法19条の2第2項)

不交付になった場合もリカバリーの時間が残されている

職務内容が在留資格の範囲外として、就労資格証明書が不交付となった場合でも、在留資格の期限が残っていればリカバリーは可能です。

その場合、在留資格の範囲内である業務を会社側で再度用意するか、残りの在留期間で在留資格にきちんと合致する転職先を改めて探します。

一方、就労資格証明書なしで更新申請をする場合はそうはいきません。

万が一不許可の場合、在留資格が出国準備のための「特定活動」に変更され、せっかく転職が決まった会社での就労活動が一切認められなくなってしまいます。

就労資格証明書を取得する際の注意点

メリットが多い就労資格証明書ですが、申請前に注意しておきたい点もあるのでここで紹介します。

  • 就労資格証明書の申請には手間がかかる
  • 在留期限が迫っている場合は就労資格証明書の申請ができない

就労資格証明書の申請には手間がかかる

就労資格証明書の交付を受けるには、必要な書類を集め、交付申請書を作成する必要があります。

必要書類は転職前の会社と転職先の会社から収集する必要もあり、なかなか手間がかかります。

また、転職理由書(雇用理由書)などを通して、転職先の業務が申請人の在留資格に該当することを立証していかなければなりません。

申請書の作成に慣れていない場合、かなり労力が必要となります。

在留期限が迫っている場合は就労資格証明書の申請ができない

在留資格の満了日が迫っている場合、時間的にも証明書を取得している余裕はなく、在留資格の更新許可申請をすることになります。

この場合更新の手続きの中で、無職期間の正当性や転職先の業務について立証していくことが必要となります。

したがってこのような場合、在留資格更新許可申請の一発勝負ということになります。

就労資格証明書の申請に必要な書類

出入国在留管理庁の公式ホームページでは、就労資格証明書交付申請に必要な書類が掲示されています。

しかし、ホームページに載っている書類はあくまでも最低限提出が必要な書類です。

したがってそれらの書類だけでは、転職先の業務内容が在留資格に合致するか立証するのが難しく、その他の資料も添付することをオススメします。

ケースによってもそろえるべき書類は異なりますが、ここでは申請に必要な最低限の書類を紹介します。

就労資格証明書の申請に必要な書類

【外国人が用意する書類】

  • 就労資格証明書交付申請書
  • 在留カード(提示)
  • パスポート又は在留資格証明書
  • 資格外活動許可証(持っている場合
  • 履歴書
  • 卒業証書
  • 成績証明書

【転職前の会社の書類】

  • 退職証明書
  • 源泉徴収票

【転職先の会社の書類】

  • 雇用契約書
  • 雇用理由書
  • 定款の写し
  • 登記事項証明書
  • 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計書
  • 会社案内(HP等)

就労資格証明書交付申請書の書き方

上記が申請書の記載例です。

申請書は以下のリンクよりダウンロード可能です。

就労資格証明書交付申請書

以下では各項目ずつ解説していきます。

1.国籍・地域 Nationality/Region

申請者の国籍を記入しましょう。

地域とは、日本の立場から国とは認められていない台湾や香港が該当します。

なお、国名は「アメリカ合衆国」や「ベトナム社会主義共和国」のような正式名称は記入する必要はなく、「アメリカ」「ベトナム」でOKです。

例:アメリカ、中国、韓国、ベトナム

2.生年月日 Date of birth

生年月日は西暦で記入しましょう。

昭和、平和、令和のような和号は使いません。

例:1994年5月31日

3.氏名 Name

氏名はパスポートそのままの順番で上(SURNAME)から転記しましょう。

中国人や韓国人のように漢字の名前がある場合は、ローマ字の氏名の横に漢字の氏名を併記するようにしましょう。

例:SMITH JOHN、王 柳 (Wang Liu)

4.性別 Sex

該当する項目に〇をつけます。

5.住居地 Address in Japan/電話番号 Telephone No.

申請者の住所を記入します。

電話番号の欄は、家の電話がない人は「該当なし」と記入しましょう。

携帯電話番号は必ず記入します。

6.旅券番号・有効期限 Passport Number/Date of expiration

旅券番号と有効期限はパスポートから転記しましょう。

旅券番号は、通常パスポートの顔写真ページの右上(上図参照)にあります。

有効期限は「Dare of expiry/expiration」の欄に記載されています。

7.在留資格・在留期間・期間満了日 Status of Residence/Period of stay/Date of expiration

現在持っている在留資格の種類と、在留期間を記入します。

上図のように在留カードを確認すると、在留資格の種類と在留期間、期間満了日を確認できます。

例:技術・人文知識・国際業務、 1年、3年、5年

8.在留カード番号/特別永住者証明書番号

在留カード番号は下図のように在留カードの右上に記載があるので、そこから転載しましょう。

特別永住者証明書番号も、上図のように右上に記載があります。

9.証明を希望する活動の内容 Desired activity to be certified

この欄には転職先の職務内容について記入します。

実際には当欄だけでは説明が足りないため、別紙にて業務内容を詳しく説明できると良いと思います。

10.就労する期間 period of work

転職先で働く期間を記入します。

11.使用目的 purpose of use

上記のように、「転職先に提出する為」と記入しておけば問題ありません。

12.代理人 Legal representative

この欄は、申請者に代わって法定代理人が申請を行う場合に代理人の情報を記入します。

申請人本人が申請する場合は「該当なし」と記入しておけば良いです。

署名・取次者

最後は外国人配偶者の自筆で署名し、申請書の作成日の日付を記入しましょう。

※取次者は、変更許可申請を行政書士等の業者に依頼した場合、業者側が記入する欄になります。

ご自身で申請する場合は「該当なし」でOKです。

これにて完成です!お疲れさまでした!

就労資格証明書は取得しておいて損はない書類です。

時間に余裕のある方は、自力で必要書類を集めて、上記を参考にして申請書の作成にトライしてみてください。

「なかなか自力だと大変そうだな・・・」

と思われる方は、ビザ専門の行政書士に問い合わせてみるのも一つの手です。

ビザ部の行政書士への相談は無料ですので、気になる方は以下のリンクよりご相談ください。

ABOUT ME
編集長 TAKAO
ビザ部を運営する編集長、現役行政書士。 日々多く業務をこなしながら、専門家としての知識を活かし、日本のビザに関する様々なお役立ち情報を発信している。ビザ関係の記事はすべて自ら執筆。

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