留学生などがアルバイトをする場合に必要となるのが資格外活動許可。
今回の記事では資格外活動許可申請書の書き方を、ビザに詳しい行政書士が記入例を紹介しながら解説していきます。
- 資格外活動許可の概要
- 資格外活動許可申請書の書き方
- 資格外活動許可の申請方法
目次
- 1 資格外活動許可とは?申請書の書き方の前に簡単におさらい
- 2 資格外活動許可申請書の記入例と書き方
- 2.1 0.提出先を記入
- 2.2 1.国籍・地域 Nationality/Region
- 2.3 2.生年月日 Date of birth
- 2.4 3.氏名 Name
- 2.5 4.性別 Sex
- 2.6 5.配偶者の有無 Marital status
- 2.7 6.職業 Occupation
- 2.8 7.住居地 Address in Japan/電話番号 Telephone No.
- 2.9 8.旅券番号・有効期限 Passport Number/Date of expiration
- 2.10 9.現に有する在留資格・在留期間・期間満了日 Status of Residence/Period of stay/Date of expiration
- 2.11 10.在留カード番号 Residence card No.
- 2.12 11.現在の在留活動の内容 Present activity
- 2.13 12.他に従事しようとする活動の内容 Other activity to engage in
- 2.14 13.勤務先 Place of employment
- 2.15 14.法定代理人 Legal representative
- 2.16 署名・取次者
- 3 申請書ができたら、必要書類を揃えて申請書を提出しよう
資格外活動許可とは?申請書の書き方の前に簡単におさらい
現在の在留資格で認められている範囲外の活動で、収入が伴う活動をする場合に必要となってくるのが資格外活動許可です。
分かりやすい例では留学生のアルバイトが挙げられますが、例えば就労ビザを持っている外国人等も資格外活動許可を取得して、本業以外の活動をすることもできます。
資格外活動許可が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 資格外活動を行うことによって、本来の在留資格の活動がおろそかにならないこと
- 本来の在留資格にかかる活動を継続して行っていること
- 資格外活動が、入管法で定められた一定の活動に該当すること
- 資格外活動が、法令に違反する活動や、風俗営業に該当しないこと
- 収容令書の発布を受けていないこと
- 素行が不良でないこと
- 所属機関(学校や会社)が資格外活動を行うことに同意していること
なお、資格外活動許可には「個別許可」と「包括許可」があります。
個別許可
個別許可とは、働く先の会社や業務内容等を定めて、個々に許可されるものです。
就労ビザ等を持っている外国人が資格外活動を行う場合、個別許可を取得する必要があります。
包括許可
包括許可とは、特に活動内容や働く先を特定することなく、1週間のうち28時間以内であれば資格外活動を行うことができるというものです。
包括許可の場合、コンビニのレジ打ちや居酒屋のホール業務などの単純労働も可能です。
留学ビザや家族滞在ビザ、特定活動ビザなどを持っている外国人が対象となります。
資格外活動許可申請書の記入例と書き方
上の図が申請書記入例の全体像です。
申請書は以下のリンクよりダウンロードできます。
実際に資格外活動許可申請書を作成する前に、
・在留カード
・パスポート
を準備しましょう。
それでは資格外活動許可申請書の書き方を項目ごとに解説していきます。
0.提出先を記入
まずは提出先の入管局の地名を記入します。
資格外活動許可申請の提出先は、申請者の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。
管轄の詳細はこちらからご確認ください。
例:東京、名古屋、大阪
1.国籍・地域 Nationality/Region
申請者の国籍を記入しましょう。
地域とは、日本の立場から国とは認められていない台湾や香港が該当します。
なお、国名は「アメリカ合衆国」や「ベトナム社会主義共和国」のような正式名称は記入する必要はなく、「アメリカ」「ベトナム」でOKです。
例:アメリカ、中国、韓国、ベトナム
2.生年月日 Date of birth
生年月日は西暦で記入しましょう。
昭和、平和、令和のような和号は使いません。
例:1994年5月31日
3.氏名 Name
氏名はパスポートそのままの順番で上(SURNAME)から転記しましょう。
中国人や韓国人のように漢字の名前がある場合は、ローマ字の氏名の横に漢字の氏名を併記するようにしましょう。
例:SMITH JOHN、王 柳 (Wang Liu)
4.性別 Sex
該当する項目に〇をつけます。
5.配偶者の有無 Marital status
配偶者がいる場合「有」に〇つけます。
6.職業 Occupation
職業を記入します。
家族滞在ビザの方など、現在職業がない場合は「該当なし」と記入しましょう。
会社員(○○業)、自営業、学生
7.住居地 Address in Japan/電話番号 Telephone No.
申請者の住所を記入します。
電話番号の欄は、家の電話がない人は「該当なし」と記入しましょう。
携帯電話番号は必ず記入します。
8.旅券番号・有効期限 Passport Number/Date of expiration
旅券番号と有効期限はパスポートから転記しましょう。
旅券番号は、通常パスポートの顔写真ページの右上(上図参照)にあります。
有効期限は「Dare of expiry/expiration」の欄に記載されています。
9.現に有する在留資格・在留期間・期間満了日 Status of Residence/Period of stay/Date of expiration
現在持っている在留資格の種類と、在留期間、期間満了日を記入します。
上図のように在留カードを確認すると、在留資格の種類と在留期間、期間満了日を確認できます。
例:技術・人文知識・国際業務、 1年、3年、5年
10.在留カード番号 Residence card No.
在留カード番号は下図のように在留カードの右上に記載があるので、そこから転載しましょう。
11.現在の在留活動の内容 Present activity
現在の在留活動の内容を記入します。
上の記入例は留学生を想定していますので、学校名と1週間の授業時間数を記入します。
就労ビザの方は、勤務先の会社と業務内容を記入しましょう。
例:株式会社ビザ部でマーケティング業務に従事
12.他に従事しようとする活動の内容 Other activity to engage in
(1)職務の内容
該当する職務内容にマークをいれます。
該当がない場合、上記のように「その他」マークを入れ、活動内容の詳細を記入します。
また、まだアルバイト先などが決まっていない場合、「未定」としておけばOKです。
例:コンビニ接客業務、レストラン調理補助
(2)雇用契約期間
雇用契約期間が分かる場合は記入します。
まだ決まっていない場合は「未定」としておきましょう。
例:3月、6月、1年
(3)週間稼働時間
1週間の予定稼働時間を記載します。
留学生や家族滞在ビザを持つ人は、最長で週に28時間働くことができます。
(4)報酬
日額、週額、月額のどれかにマークをし、予定の収入額を記入します。
まだわからない場合「未定」でOKです。
13.勤務先 Place of employment
(1)名称
予定勤務先の名称を記入します。
まだ決まっていない場合はここも「未定」です。
(2)所在地・電話番号
勤務先の住所と電話番号を記入します。
(3)業種
該当する箇所にマークをします。
記入例のように、居酒屋などの飲食店で働く場合は「商業」にマークをします。
14.法定代理人 Legal representative
この欄は、申請者に代わって法定代理人が申請を行う場合に代理人の情報を記入します。
法定代理人とは、親権者や成年後見人等のことを言います。詳しくはこちら。
申請人本人が申請する場合は「該当なし」と記入しておけば良いです。
署名・取次者
最後は外国人配偶者の自筆で署名し、申請書の作成日の日付を記入しましょう。
※取次者は、変更許可申請を行政書士等の業者に依頼した場合、業者側が記入する欄になります。
ご自身で申請する場合は「該当なし」でOKです。
申請書ができたら、必要書類を揃えて申請書を提出しよう
申請書が完成したら、必要書類を揃えて、住居地を管轄する入管局へ申請を行います。
以下必要書類です。
- 資格外活動許可申請書
- 当該申請に係る活動の内容を明らかにする書類
- 在留カード(提示)
- パスポートまたは在留資格証明書(提示)
※申請後、窓口より追加資料の提出を要求される場合があります。
資格外活動許可の申請は、他の申請と比べても比較的簡単なので、自分でできそうな方はチャレンジしてみると良いと思います。
資格外活動許可申請について相談したい、面倒なので申請を頼みたいという方は、是非以下のリンクからビザ部の行政書士へお問い合わせください!